中津東、開幕戦6失点大敗も充実感 主将DF村本輝「これからの人生にいい財産」 指揮官「3年間の成長は目覚ましい」
12月28日の開幕戦で関東第一に0-6と敗戦
第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に国立競技場で開幕戦が行われた。中津東(大分)は関東第一(東京B)に0-6の大敗を喫したが、試合後には力を出し切った充実感も見せた。
中津東は前半13分にセットプレーの流れから失点すると、前半を0-3で折り返す苦しい展開に。後半も諦めないプレーを見せていたが、3点を奪われて最終的に6点の大差がついた。
最終ラインでプレーした主将のDF村本輝は、関東第一について「最後のシュートを打つところで、コースを限定することも自分たちができていなかった。相手のシュートの質も高く、シュートまで持っていくところも上手くて対応できなかった。素晴らしいパスワークで、1つ1つに上手さがあった。自分たちは入りのところで対応し切れずに失点を重ねてしまった」と、実力差があったと認めた。
それでも、大分の代表として国立競技場でプレーするにあたり、19日の天皇杯決勝で大分トリニータが浦和レッズを相手に際どいゲームを見せたことが励みになったという。大分は0-1の後半アディショナルタイムに同点ゴールを奪い、その後に突き放されたものの意地を見せる試合展開だった。
「大分トリニータがこの間(天皇杯の)決勝で試合を行って、とてもいい試合をしていた。アディショナルタイムで追い付いて自分たちも感動させられた。負けてしまったけど大分県民に感動を与えてくれて、自分たちの励みになった。実際に国立競技場で試合をさせてもらって、人生で経験することのないことだと思うので、このピッチでできたのがいい経験になった。これからの人生にとてもいい財産になると思う」
就任1年目の首藤啓文監督も「3年間見ていた先生は非常に成長したねという言葉をかけていた。この1年間でも成長したと思いますけど、3年間の成長は目覚ましいと思う。よく頑張ったなと。今回については3年生が多かった。あと1か月で高校生活が終わり、その後に就職もある。学校生活の締めくくりに大きく成長させてもらえたのではないか」と、この経験が人生に生きると話した。
スコアだけ見れば力及ばずの大敗だが、力を出し切った充実感と経験、学ぶものがあるという点では、高校サッカーらしい意義があった1試合になったのではないだろうか。