EUROを席巻するイタリアの“進化版カテナチオ” 相手を自陣PA内に侵入させない鉄壁の守備
ペナルティーエリアに入れなかったスペイン
圧倒的なボール支配率を誇るスペインと際立った守備力が光るイタリアとの注目の一戦は、2-0でイタリアの完勝だった。その結果を示すデータがある。
最初の図はスペインの成功したパスの軌跡と枠内シュートの軌道だ。中盤、サイドで回していたパスがアタッキングサードに入ると突然激減する(黄色の円で囲んだ部分)。ペナルティーエリア内でのパスはほとんど成功していない。枠内シュートも2本がペナルティーエリア内からだが、残りは外から苦し紛れに放ったシュートの軌跡が3本見えるだけだ。
イタリアの同じデータを見てみよう。スペインと比較すると、やや後方でのパス回しが目立つ。アタッキングサードにおけるパス数は多くは見えない。しかし枠内シュートを示す7本のラインと、ペナルティーエリア内で成功したパスのラインはスペインには見られない軌跡だ。