ブラジル戦でダブルエースそろわず 本田がインサイドハーフの香川に太鼓判も痛すぎる離脱
「安心してボールを預けられる」2人のエース
日本代表MF本田圭佑(ACミラン)が10日のジャマイカ戦でアギーレジャパン初先発を飾ったMF香川真司(ドルトムント)のインサードハーフでのプレーに太鼓判を押した。
「真司が入って、あそこでしっかりと起点になれる。周りも安心して、勝負所に入っていける。得点にはならなかったけど、何本か良い形があった」
本田はそう話し、4-3-3システムの中盤の左でプレーした香川をたたえた。
この日の香川は、随所に“らしさ”を見せつけた。前半15分に左足で強烈なミドルシュートを放つと、ゴールポストの左をかすめた。後半16分にも相手DFを素早い足技でかわすと右足のアウトサイドでクロス。FW武藤嘉紀(FC東京)のヘディングは相手GKの好セーブに阻まれたが、決定機を何度も演出した。
「やりやすさは、ずっとやっているからあります。お互いのことを分かっているという意味では、安心してボールを預けられるというのもある。とにかく、次に向けて準備したいと思います」
右ウイングで先発した本田はそう話しており、ビルドアップでもボールロストせず、ゴール前で脅威となるプレーを見せた背番号「10」に大きな信頼を寄せた。
不運なことに香川は前半38分にあごを強打。後半45分で途中交代するまでプレーしたが、試合後に頭の痛みを訴え、病院に直行した。診断の結果、脳振とうにより、代表を離脱することになった。これにより、14日に行うブラジル戦(シンガポール)も欠場となる。
本田と香川はブラジルワールドカップ(W杯)で世界一を公言しながらも、1次リーグ敗退という現実に打ちのめされた同志。本田はACミランで今季6試合4得点2アシストと活躍。香川も出場機会が限定されたマンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに移籍したことで、輝きを取り戻しつつある。
4年後のロシアW杯に向けて、再び走り出したダブルエースがそろい踏みした日本。サッカー王国ブラジルの胸を借りれば、まだまだ手探り状態のアギーレジャパンの現在地を探ることもできたはず。それだけに香川の離脱は痛恨の事態となった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web