EURO8強で迎える最強守護神決定戦にブッフォンの湛える余裕と自信 「38歳の自分とノイアーを比べるのは…」

イタリア対ドイツ戦は事実上の決勝戦

 世界最高の守護神の称号をほしいままにしてきたイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)が欧州選手権準々決勝で直接対決を迎える“後継者”、ドイツ代表GKマヌエル・ノイアーを称賛している。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。

「確かに、私はこの前ノイアーが僕より優れていると発言した。だが、それはその発言によって自分の価値が下がることも、動揺するようなこともないから言えることなんだ。マヌエルと38歳のGKを比べるなんて、彼にとって侮辱だろう。この4、5年、彼はあらゆる点で素晴らしいGKだということを示してきたね。僕は現在の自分自身のことをよく分かっているつもりだ」

 事実上の決勝戦とも呼ばれる名門国の対決を前に、ブッフォンは言葉の端々に充実ぶりを含んでいた。百戦錬磨の守護神は圧倒的な身体能力を誇るノイアーを素直に称えるほどの精神的な余裕と人間的な器の大きさを示していた。

 ブッフォンがパルマ時代に16歳でデビューした当時と現在では、サッカーにおけるGKの役割も大きく変わってきた。シュートストップとハイボールの処理、いわゆるペナルティーエリア内でゴールを守る役割が大部分だった時代から、今やGKもビルドアップに参加する攻撃のスタート地点としての役割を求められるようになった。そして、高く上がった最終ラインの背後をカバーするプレーを求められる役割も増えた。ノイアーは現代的なGKの最高峰にあるという。

 しかし、ブッフォンもまた年齢を重ねながらプレーの幅を広げてきた。ユベントスに現在イタリア代表を率いるアントニオ・コンテ監督が就任時から、よりポゼッション志向が高まった。ブッフォンもそのチームスタイルに適応するために、最後尾からショートパスをつなぐ場面が多くなった。進化を続けてきた38歳だからこそ、現在のノイアーのクオリティーを素直に讃えるのだろう。

 

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