「彼らを殺すつもりはない」 EURO8強敗退のベルギー闘将、スクランブル先発の若手DF陣のミスを擁護
小国ウェールズに惨敗も続投には意欲示す
DF陣に負傷者と出場停止選手が重なる不測の事態によって厳しい戦いを強いられたことが大きく影響した。大会前に主将のセンターバックDFヴァンサン・コンパニー(マンチェスター・シティ)が負傷で招集外となっていた。そこにDFヤン・フェルトンゲン(トットナム)が足首の重傷でウェールズ戦前に戦線離脱。DFトーマス・ヴェルマーレン(バルセロナ)も累積警告により欠場となった。代役には今季マンチェスター・シティから1年間のローンでガラタサライに武者修行に出ていたDFジェイソン・デナイヤーと、FWロメル・ルカクの弟・DFジョルダン・ルカク(オーステンデ)という共に21歳の若手コンビが起用された。しかし、2人は簡単に相手のマークを外す場面が目立つなど不安定さを露呈した。
「我々は非常に平均年齢が若かった。選手たちには可能性があると思う。私は彼らを殺すつもりはない。不運にも、すでに問題を抱えていたところに、ディフェンスで更に2つの問題が発生した。彼らは今夜、学ぶことができた。なぜなら、人は厳しい時にこそ学ぶことがある。今夜の敗戦は、ただの敗戦ではない」
チェルシーMFエデン・アザールを筆頭に各ポジションにスター選手を擁するベルギーだったが、14年ブラジル・ワールドカップに続いてベスト8の壁を破ることはできなかった。その豊富なタレント陣を生かしきれなかったヴィルモッツ監督だが、チームの将来性に期待を懸けている。現役時代には2002年日韓ワールドカップで一次リーグ日本戦で伝説のオーバーヘッド弾を決めた“闘将”は、今後も“赤い悪魔”と呼ばれるベルギーの指揮を続けることになるのだろうか。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images