2021年Jリーグ「注目の出来事」を独自選定 J2の劇的ワンプレー、引退ボランチの愛あるツイート…トピック5厳選

現役引退の阿部勇樹、SNSで見せたさりげない優しさ

[ftp_del][/ftp_del]【代表返り咲き賞】松原健(横浜F・マリノス/DF)[ftp_del][/ftp_del]

”ケニー”の愛称で親しまれる28歳の松原は正確な右足のクロスと巧みなポジショニングを生かしたビルドアップ、クレバーな守備など、横浜FMの頼れる右サイドバックとして定評がある。その松原は今年3月のカタールアジアW杯2次予選のモンゴル戦と国際親善試合の韓国戦に臨む日本代表メンバーに、畠中槙之輔とともに選ばれた。

 2014年のキリンチャレンジカップ以来、実に7年ぶりの代表招集となったが、その時は長友佑都、酒井宏樹、酒井高徳などの陰に隠れ出番がなかった。しかし、3月30日のモンゴル戦で記念すべき代表デビュー。南野拓実の先制ゴールをアシストするなど6得点に絡む活躍を見せ、14-0と歴史的勝利を飾った試合で、しっかりと存在感を示した。

 大分トリニータU-18の大先輩、そして宇佐市の同郷でもある西川周作も4年ぶりの招集となった3月の代表シリーズ。そこから招集を受けていないが、来年7月には国内組で臨むとみられるE-1サッカー選手権(中国)もあるだけに、来年も引き続き注目していきたい。

[ftp_del][/ftp_del]【愛あるツイート賞】阿部勇樹(浦和レッズ/MF)[ftp_del][/ftp_del]

 惜しまれつつも現役引退を発表した阿部勇樹。ホーム最終戦ではプレーこそできなかったが、スピーチがファンサポーターの感動を誘い、天皇杯を掲げる姿も感動的だった。そんなベテランMFは、SNSでさりげない優しさが溢れるコメントを投稿していた。

 今年は日本女子サッカー初のプロリーグ「WEリーグ」開幕元年でもあり、浦和レッズの兄妹クラブとも言える三菱重工浦和レッズレディースも参入している。ホーム開幕戦に足を運ぶと自身のツイッターで「ホーム開幕戦!頑張れ~♪」と呟き、数多くの「いいね」が付き、FW安藤梢とのやりとりも。おそらく、その声に導かれるようにレッズレディースの試合を観戦に行った浦和レッズのファンサポーターも少なくないのではないか。

 現役を退いても、その人柄とカリスマ性で浦和レッズ、そして日本サッカーの発展に貢献してくれることを期待したい。

[ftp_del][/ftp_del]【もう1人のFW賞】柳育崇(栃木SC/DF)[ftp_del][/ftp_del]

 ポジションはセンターバック(CB)でありながら傑出した得点力を誇る栃木の柳育崇は、昨年の6得点を上回る8得点をマーク。そのうちの6得点はセットプレーからのヘディングで、特に第15節の松本山雅FC戦(3-0)で決めた2ゴールは衝撃的だった。

 ただし、決定力はヘッドに止まらず、第28節のレノファ山口戦(3-2)ではロングスローのこぼれ球を拾って右足でゴール。最終節のFC琉球戦(1-2)では味方選手の落としを見事にコントロールして左足を振り抜いた。本職のディフェンスでも対人の強さを押し出して栃木の残留に大きく貢献。現在27歳だが、点の取れるCBとして引き続き注目されそうだ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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