リオ五輪18選手に見る手倉森Jの狙い 「押し込まれる」展開を想定し一撃必殺のカウンターに活路
「日本の強みは速さ」と語った指揮官
日本サッカー協会は1日、リオデジャネイロ五輪本大会に向けた登録メンバー発表の記者会見を開き、来月のリオ五輪に臨む18名を発表した。手倉森監督は、そのメンバー構成の意図を「日本の強みは速さ」として、「押し込まれた時の守備を厚くする」と説明。強豪を相手に押し込まれる展開を想定し、スピードに乗ったカウンターを武器に、ブラジルの大地で1968年メキシコ五輪以来のメダル獲得を目指していく。
いくつかのシステムを使い分ける手倉森監督だが、18人のうち大きく分けて12人までがGKからボランチの選手になった。そして、6月29日の南アフリカ戦で採用した4-4-2システムを基準にすれば、サイドハーフが3人、FWが3人と、やや少なめの構成とも考えられる。その6人に含めたMF矢島慎也(岡山)は、ボランチでもプレーできる柔軟性を備えたタイプ。ボランチを主戦場とする選手が遠藤航(浦和)、大島僚太、原川力(ともに川崎)、井手口陽介(G大阪)と4人選出されていることを考えれば、中盤のメンバー構成も重心が後方へと傾いている。
その意図を問われた指揮官は、「中央の枚数を増やして両サイドを減らし、高さも十分ではなさそうだというのが皆さんも分かると思います」と前置きをした上で、本大会での戦いを見通した決断だったと明かした。
「日本の強みは速さだと思う。そして、この大会を攻撃的にやれるのかどうか。押し込まれて守らなければいけない状況になると、6割ぐらい思っている。相手に押し込まれた時の守備を厚くするために、ボランチを4枚にしました。遠藤航は最終ラインもできるし、塩谷(司/広島)はサイドもできる。後ろを万全にしたかった。前は少数精鋭かもしれないが、チャンスも少数かもしれない。そこを突けるようなメンバーとポジションの構成を考えました」