「1に挨拶、2に時間厳守」 元Jリーガー監督が東大生に求める“キホンのキ”「いくら才能があっても」

林監督が東大生たちに掲げた“5つのスローガン”とは?

 1年目の経験を踏まえ、林監督は2年目を迎えるにあたって新しい5つのスローガンを打ち出した。そこには人としての“キホンのキ”とも言える項目が並んだ。

「1に『挨拶の徹底』、2に『時間厳守の徹底』、3が『報連相の徹底』、4が『部室をキレイに使う』、そして5が『たくさんの人とコミュニケーションを取る』。彼らには当たり前のことを当たり前にできる人間になってほしいんです。部の名前にも“運動会”(東京大学運動会ア式蹴球部)と付いていますけど、体育会系の環境で育っていない選手が多い。挨拶などの部分では僕がいた明治大学のほうがしっかりしているかもしれないです。

 チームには分析のためのテクニカルスタッフが何人もいたり、最新のテクノロジーを使ったりしていますけど、そういうところばかり最先端にいき過ぎて、本質的なところを見失わないようにしてほしいです。サッカーが上手くなることはもちろん大切ですけど、大学生活の4年間でサッカーを通してチーム行動をしながら、人間的な成長を意識してほしいなと思います」

 世間の注目を集める“東大ブランド”を背負っているとはいえ、彼らも素顔はどこにでもいるような大学生そのもの。大学サッカーを経て、プロ入りした林監督から学べることは数え切れないほどありそうだ。

[PROFILE]
林陵平(はやし・りょうへい)/1986年9月8日生まれ、東京都出身。明治大―東京V―柏―山形―水戸―東京V―町田―東京V―群馬。2020年に現役を引退し、21年1月に東京大学運動会ア式蹴球部の監督に就任。監督業の傍ら、解説者としても精力的に活動している。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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