「俺、もう引退する」 元日本代表MF水野晃樹、一度は諦めかけた現役続行――社会人移籍へ傾けた妻の「まだ見たい」の言葉
サッカー選手だけでなく、指導者としても活動する中で感じる“楽しさ”
選手としてベテランの域に達した水野は、相模原時代からサッカースクールコーチとしての活動も始めた。プレーするだけでなく、伝える側としても何か還元できないかと、JFA (日本サッカー協会)のB級コーチライセンスも取得した。
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選手と指導者という二足の草鞋を履く水野のチャレンジは、はやぶさイレブンでも続けている。将来、プロ選手を夢見る子供たちに寄り添い、経験を伝えるなかで感じたこと、自らの指導流儀とはなにか。
「相模原時代からスクールコーチをやっていたなかで、教える楽しさっていうのはその頃から感じていたんです。だから、はやぶさイレブンに来てもスクールコーチをやりたいなと思っていたんですよね。
そうしたらそういう場を設けてもらえて、いざやってみると特に子供たちって成長が速いので、吸収しようとする子は成長率が高いし、逆に、あんまり人の話を訊かない子は成長が遅いなとか、その差がしっかり出てくるので楽しいです。
逆に、自分もそれを見て『こういう風に話を受け止めたらもうちょっと成長できるな』とか、選手としての立場へ還元してもらえる場でもあるんですよね。ただ単に教えるというのではなく、教えながら学んでいる部分も少なからずあるなと。そこが醍醐味ですね。
そうやって子供たちに接していてよく思うんですけど、今の子たちは本当に恵まれていて、育成環境もめちゃくちゃ良いじゃないですか。グラウンドは人工芝になって。僕らの頃なんかインターネットなんてなかったですし、今はタブレットから海外の選手も見れてしまう時代ですからね。
そこは良い部分なんですけど、裏を返すと、答えだけ見ちゃっているんですよね。自分で考える能力というのが今の子たちは乏しいです。勉強でもそうですけど、タブレット端末で見て調べたら答えが出るじゃないですか。
でも実際、学んでいく上で大事なのは過程ですよね。答えに至るまでが抜けてしまっているので、考える頭がないんですよ。コーチが言ったことはやるけど、それを自分でかみ砕いて、違うことへ応用が出来ないんです。
それが今の環境が良くなり過ぎた部分かなと思うんですけどね。僕にも今、中1と小5の息子2人がいてサッカーをやっているんですけど、同じことが言えます。昔ながらじゃないですけど、そういうことを伝えていくことも大事かなと思ってますね。