「J1に戻ってきてほしい」 退任の片野坂監督、6年間愛情を注いだ大分へ激励エール
クラブ史上初の天皇杯決勝に導くも、浦和に無念の敗戦
大分トリニータは12月19日に行われた第101回天皇杯の決勝戦で浦和レッズと対戦。クラブ史上初の決勝で、土壇場で同点に追いついたが、劇的な決勝ゴールを奪われて1-2で敗れた。今季限りでの退任が決まっている片野坂知宏監督は試合後のオンライン会見で、「またJ1に戻ってきてほしい」と6年間指揮を執ったクラブにメッセージを送った。
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今季リーグ戦では18位に終わり、J2降格が決まった大分。片野坂知宏監督の今季限りでの退任も発表されたなかで、クラブ史上初の天皇杯決勝に駒を進めた。
大分は前半6分、浦和のFW江坂任に先制ゴールを奪われる苦しい展開。1点ビハインドのまま迎えた後半には、同27分にMF野村直輝、同34分にはFW長沢駿とMF松本怜を投入して攻撃のギアを上げた。
しかし大分も後半45分、自陣でのフリーキック(FK)をGK高木駿が前に出てきて短くつなぐと、ゴール前に上げたボールにMFペレイラが飛び込んでヘディングシュートを決め、1-1に追いついた。
ただ、迎えた後半アディショナルタイム、コーナーキックのこぼれ球を浦和MF柴戸海がボレーシュートで狙い、DF槙野智章が頭でコースを変えて劇的な決勝ゴール。大分は無念の準優勝に終わった。
片野坂監督は試合後のオンライン会見で「6年間、ここまで本当にさせていただいたのも選手、スタッフ、携わったみなさんのおかげ。そしてファン・サポーターの方、トリニータに関わるすべての方に感謝したい」とクラブへの想いを込めた。
「リーグ戦で降格してしまったこと、天皇杯もタイトルのチャンスを得たけれども終わり方が悔しい敗戦だったこと、それは自分の中でも残念。ただ、浦和という素晴らしい相手、国立という素晴らしい舞台にトリニータが進出できたのは素晴らしいこと。新しいトリニータの歴史に刻むことができたのは良かったと思う。
6年間、そして今シーズン、J1で戦う中で足りないことは、プレーの強度やクオリティー、サッカーのベーシックなところが大事なので、そこで上回れるか。戦術や戦い方に私もいろいろなチャレンジをしたが、ミラーゲームにされたり、今日のようにマンツーマン気味にマッチアップされたり、その時に強度や質で上回られているのが足りない。サッカーのベーシックなところ、どういう状況でも戦うのが大事だと。それはどれだけ日頃のトレーニングから自分に矢印を向けて戦っていけるかがこういう舞台でも生かされる。そうやっていかないと、成果は掴み取れないと。来年J2でも1年で復帰しなければいけないなか、感じたことを生かしてほしいし、またJ1に戻ってきてほしい。
私自身もサッカーのベーシックなところ、球際、走る、トランジション、強度はどんなカテゴリーでも大切。戦術プラス、そういうベーシックなところも選手に求めていくのが大切だと理解して、生かして、次のステップに進みたいと思う」
片野坂監督は6年間指揮を執ったクラブへエールを送るとともに、自らの次なる道を見据えていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)