浦和レッズが歴代最多タイの天皇杯8回目の優勝 契約満了の槙野がラストゲームで劇的決勝弾
決勝初進出の大分を2-1で破って3年ぶりの大会制覇
国内三大タイトルの1つ、第101回天皇杯の決勝が12月19日に国立競技場で行われ、浦和レッズが大分トリニータに2-1の勝利を収め、3大会ぶりの優勝を果たした。
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浦和は準決勝のセレッソ大阪戦で決勝ゴールのDF宇賀神友弥がベンチスタートになり、MF小泉佳穂がスタメンに名を連ねた。一方の大分は、今季リーグ戦で18位となりJ2降格という苦しい結果になったものの、準決勝でリーグ覇者で前回優勝の川崎フロンターレをPK戦の末に破って決戦に駒を進めてきた。
その決勝戦は早い時間帯にゲームが動いた。前半6分、浦和は右サイドの深い位置まで小泉が進出すると、MF関根貴大がフォロー。そして、関根がマイナス方向へグラウンダーのボールを戻すと、MF江坂任が右足で蹴り込んで先制点を奪った。
その後は浦和が全体にゲームを支配しつつ、大分はカウンターを狙うような構図になった。決勝戦らしい球際の厳しさはありつつも、全体に落ち着いたペースになった試合は双方ともに大きなチャンスを作れず、浦和が1-0とリードしてハーフタイムを迎えた。
後半に入ると明確な4-4-2に変更した大分が序盤のペースを握り、浦和のライン間や選手の間に入り込みながら前進していった。しかし、最終的に中央を割らせなかった浦和は徐々にペースを持ち直すと、後半25分にはスルーパスに抜け出した江坂がGK高木駿と1対1になった。ここで江坂は一度ドリブルでかわしてのシュートを狙ったが、ゴールマウスに向けて必死のダイブで高木がセーブに成功し、浦和に追加点を許さなかった。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督はその後、FWキャスパー・ユンカーに代えて宇賀神を投入し、完全な逃げ切りモードにシフト。敵陣でのボール支配率を高める展開になり、ラスト10分を切ったところでDF槙野智章とMF大久保智明も投入した。
しかし、大分は準決勝と同様に最後の粘りを見せた。自陣でのフリーキックをGK高木が前に出てきて短くつなぐと、ゴール前に上げたボールにMFペレイラが飛び込んでヘディングシュートを決め、1-1に追いついた。
浦和はアディショナルタイム、コーナーキックのこぼれ球をMF柴戸海がボレーシュートで狙うと、槙野が頭でコースを変えて劇的な決勝ゴール。2-1の勝利を収めた。浦和は今季限りで主将の元日本代表MF阿部勇樹が現役を引退し、槙野、宇賀神、オーストラリア五輪代表DFトーマス・デンが契約満了でチームを離れることが発表されているが、タイトル獲得で有終の美を飾った。
浦和は2018年度の第98回以来3大会ぶり、Jリーグ創設以降では4回目の優勝。前身の三菱重工時代から合わせて通算8回目の優勝で、慶應BRBに並んで最多タイの優勝回数になった。これにより、来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権は浦和が獲得した。