2022年「Jリーグ注目ポイント」独自ランキング発表 新体制、大ベテラン復帰、史上稀に見る混戦も
【識者コラム】FC東京のスタイル転換は? ベテラン遠藤保仁がJ1で輝きを放つか
Jリーグの2021シーズンが終了。天皇杯の準決勝と決勝を残すが、多くのクラブはオフシーズンに入り、選手たちがオフを取る間にも契約更新や契約満了、新監督の就任など、来シーズンに向けたさまざまな情報が賑わしている。筆者の目線で、2022年Jリーグの注目ポイントを10項目にまとめ、独自にランキング化した。
【10位】アルベルFC東京
毎年のことではあるが、新監督を迎えるクラブは少なくない。現時点で未定のクラブもあるが、大きな話題となっているのが今季J1リーグで9位に終わり、捲土重来を狙うFC東京だ。アルビレックス新潟で2年間指揮したアルベルト・プッチ監督(新潟では原語の読み方である「アルベル」の名で親しまれる)を招聘。ボールをしっかりとつなぎながら相手のディフェンスを崩していくスタイルへの転換がチームをどう進化させるのか。またアルベルト監督の要望に合う選手の補強なども注目される。
【9位】いわきFCのJ参入
いわきFCは初めてJFLを優勝してJ3に参入する初めてのクラブとなる。フィジカル的な強さを前面に押し出すサッカーがJ3でどこまで通用するかも注目だが、いわき市内に基準を満たせるスタジアムがない問題を受けて、ホームタウンの拡張に伴い、広野町のJヴィレッジがホームスタジアムになることが決定。東日本大震災からの復興を印象付ける意味でも大きな意味を持つ。松本山雅FCでコーチを務めた村主博正を新監督に迎えて、強靭で勇敢なサッカーをJの舞台で見せ付けることが期待される。
【8位】遠藤保仁のJ1復帰
ジュビロ磐田のJ2優勝、そしてJ1昇格の立役者になった遠藤保仁が再びJ1の舞台で、どれだけの存在感を見せるのか。現時点で磐田に残るのか、ガンバ大阪に復帰するのか正式な発表はない。いずれにしても、42歳という年齢で新シーズンの開幕を迎えるプレーメーカーが、チームの主力としてフルシーズン戦えれば大きな注目を集めるだろう。磐田は終盤戦に体調を崩した鈴木政一監督から、ヴァンフォーレ甲府をJ2・3位に導いた伊藤彰氏に引き継がれることが規定路線とされるが、遠藤が磐田残留となればフィジカル的な維持だけでなく、新監督の下での戦術的なフィットもポイントになる。
【7位】カタールへの滑り込み合戦
2022年最大のイベントがカタール・ワールドカップ(W杯)となるが、日本代表は欧州組が大半を占めると予想されるなかで、Jリーグ組がどれだけ食い込めるのか。もちろんヴィッセル神戸の大迫勇也や浦和レッズの酒井宏樹といった、最近まで欧州組だった主力選手たちが健在であることも大事になるが、3月の最終予選後にJリーグでアピールできれば、滑り込みでメンバー入りのチャンスを掴めるかもしれない。現在、国内組の選手からまた何人か欧州移籍が噂されるだけに、若手を含む新たな選手の台頭にも期待したい。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。