今季レアルは「格段に違う」 アトレティコ撃破…10連勝の要因とは? 現地記者が脱帽
シーズン開幕後に守備面も改善「より強固なものになっている」
レアルは昨季、第17節終了時点のリーガ総得点が30ゴールだったのに対し、今季は39ゴールを記録。また欧州5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)でレアルが唯一、10点以上ゴールを決めている選手を2人抱えるチームになっていることも例年との違いを示している。
ロナウドが退団した18年夏以降、毎年課題となっていた得点力不足を解消したチームは今季序盤、守備面に大きな問題を抱えていた。しかしアンチェロッティがアトレティコ戦後に「私はこのチームの守備面を気に入っているよ。それがシーズン開幕後、最も改善された点であり、より強固なものになっているからね」と自信を窺わせたように、現在、公式戦4戦連続無失点を成し遂げ、非常に安定した守備を手に入れている。
このように攻守にわたり盤石に見えるチームにとって、今、唯一懸念されることがあるとすれば、アンチェロッティがほぼローテーションを行わないことによる疲労の蓄積や怪我だろう。
しかしイタリア人指揮官はスペインメディアの指摘に対し毎回、「チームコンディションは問題ない」と返答している。実際、シーズン序盤は怪我人が続出したが、それから4か月が経過したアトレティコ戦での怪我人は、東京五輪初戦で負傷し長期離脱中のMFダニ・セバージョスのみ。それ以外の全員が招集メンバー入りしており、フィジカル面に大きな問題はないように思える。
しかしこの後、1月に入り国王杯やサウジアラビア開催のスペイン・スーパーカップ、さらに2月にはラウンド16でPSGとの対戦が決まったCLが再開し、激しい戦いが予想される。そのため残り5か月間、アンチェロッティが選手たちのコンディションをどのようにマネージメントするかが大きな鍵となり、注目を集めることになりそうだ。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。