今季レアルは「格段に違う」 アトレティコ撃破…10連勝の要因とは? 現地記者が脱帽

「実力を発揮している」とレアルの好調ぶりを強調したスペインの通信社「EFE通信」のロベルト・モラーレス記者【写真:高橋智行】
「実力を発揮している」とレアルの好調ぶりを強調したスペインの通信社「EFE通信」のロベルト・モラーレス記者【写真:高橋智行】

現地記者が試合分析、レアルは「力強さと決定力の高さを示した」

 スペインの通信社「EFE通信」のロベルト・モラーレス記者はレアルが快勝した一戦を次のように分析した。

「今日は両チームの明暗がハッキリと分かれる結果となった。マドリーは今季、チームとしての力強さと決定力の高さを示し、その実力を存分に発揮している。そしてアンチェロッティは今日、マドリーを率いてから自身2番目に長い記録となる公式戦10連勝を達成し、アトレティコを圧倒した選手たちのブロックに大きな手応えを感じているはずだ」と絶好調であることを強調した。

 アンチェロッティは前回レアルを率いた際、2014年にクラブ史上の最多記録となる公式戦22連勝を達成。過去、同クラブで公式戦10連勝以上を成し遂げた監督は、ホセ・アンヘル・ベラオンド(1929年/10連勝)、パコ・ブル(1934年/11連勝)、ミゲル・ムニョス(1961年/15連勝)、レオ・ベーンハッカー(1988年/10連勝)、ジョゼ・モウリーニョ(2011年/15連勝)、ジネディーヌ・ジダン(2020年/10連勝)の6人のみ。アンチェロッティは唯一、10連勝を2回達成した監督となっている。

 一方、同記者はアトレティコについて「今は少しおかしな状況に陥っている。なぜなら守備の脆弱さを露呈しているからね。今までシメオネは常に守備からチームをしっかりと構築し、相手にほとんどチャンスを作らせなかった。でも今日、序盤はマドリー(レアル)にそこまで劣っていなかったにもかかわらず、簡単に先制点を許してしまった。後半、気持ちを切り替えて一歩前進し、ジョアン・フェリックスが2回、同点にしてもおかしくないチャンスを生み出したが、カウンターで決定的な2点目を決められてしまった。これは守備への不安を証明するものとなったと思う」と、これまで成功を収める鍵になっていた堅固な守備が失われていることを指摘した。

 バルセロナも大きく躓いているリーガ優勝争いの行方については「今日の勝利はマドリー(レアル)がリーガ優勝にかなり近づいたことを意味する。彼らがこんなにも大きなアドバンテージを逃すとは思えないからね」と意見を述べた。レアルが勝ち点42で首位、アトレティコは消化試合が1試合少ないものの勝ち点29で4位と、勝ち点が13差にまで広がっている。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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