大切にした子どもたちとの交流 元日本代表DF槙野智章が示したプロサッカー選手の“あるべき姿”

エスコートキッズの緊張をほぐせるように意識

 また、5月のこどもの日の頃には、浦和スタッフの計らいで子どもたちを裸足でトレーニング終了後のピッチ内、芝生の上に入れることがあった。その時も槙野は子どもたちを集めて、「じゃんけんで勝ったらスパイクや私物をプレゼント」などをその場で企画して大いに盛り上げる。トレーニングキャンプで、その地域の子どもたちへのサッカー教室をやることがあっても、槙野のグループはいつも大騒ぎになっていた。

 そして、試合の日に選手入場の際に手をつないで入るエスコートキッズには、必ず優しく話しかけてコミュニケーションを取る。それは、自身が子供のころに同じ立場を経験した時のことを「緊張しすぎていて覚えていない」からなのだと話す。だからこそ、コミュニケーションを取って緊張をほぐし、その日のことが思い出になって欲しいという気持ちで常に接してきたという。

 槙野はいつも、サッカー選手という職業が子どもたちの夢であるようにという願いを持っていると話してきた。現役続行することを基本線にしている槙野だけに、もちろん社会情勢次第ではあるものの、次のクラブでもそうやって地域の子どもたちと触れ合う姿を見ることができるはずだ。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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