“迷将”ホジソンが演じた歴史的大失態 イングランドを16強敗退に追い込んだ不可解な采配の数々とは
イングランドがアイスランドに1-2と競り負け、ベスト16で敗退
イングランドは27日、欧州選手権(EURO)の決勝トーナメント1回戦で、本大会初出場の格下アイスランドと対戦し、1-2と歴史的敗戦を喫した。出場24カ国のなかでも屈指のタレントを擁しながら、ロイ・ホジソン監督の采配は大会を通して、あまりに疑問の残るものに終始した。英紙「デイリー・メール」は、「イングランドは常連敗北者ホジソンに託したことで大きすぎる代償を支払った…FAがW杯直後の2年前に留任に流されてからだ」と痛烈な見出しを打ち出している。
アイスランド戦に臨んだ老将は、機能しているとは言い難い4-3-3システムを一貫して導入。さらに、グループステージ初戦のロシア戦、第2戦ウェールズ戦で低調なパフォーマンスに終始したMFラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)とFWハリー・ケイン(トットナム)を先発に再抜擢した。
スターリングは前半3分にボックス内で倒されPKを獲得し、キッカーを務めたウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)の先制点に貢献。しかし、その後は左サイドでの1対1のマッチアップでことごとく競り負け、相手守備陣に狙われ続けた。今大会無得点のケインはゲーム序盤こそ積極的にシュートを打っていたものの、不振から一向に抜け出す気配が見られないままピッチを彷徨っていた。
1点ビハインドで迎えた後半には、キックオフから第3戦スロバキア戦でミスを多発し途中交代したMFジャック・ウィルシャー(アーセナル)を投入。守備の要MFエリック・ダイアー(トットナム)を下げ、アンカーの位置に攻撃的なウィルシャーを入れる大胆策に出たが、指揮官が寵愛する天才肌のMFは有効的な攻撃参加をほとんど見せられず、存在感を一切放たぬまま試合を終えた。
中盤に変化をもたらす必要性があったとはいえ、スロバキア戦で巧みなゲームメイクを展開したMFジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)、相手の強固なブロックを打開しうるミドルシュートを得意とするMFロス・バークリー(エバートン)など多くの選択肢があったなかで、絶不調なウィルシャーの起用は、結果的に交代カードを1枚無駄にしてしまった格好となった。