上位陣に勝てないアーセナル、主将の失態に見える”未熟さ”と強者のメンタリティー不足
先制したあとに逆転負けを喫する展開にウーデゴールも危機感
その一方で、マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシーのトップ3にいずれも完封負けを喫しており、上位陣には成すすべもなく敗れた。ここまでの戦いぶりを順調と言い切るのは難しいだろう。夏の補強がヒットし、世代交代が進んでいるのはポジティブだが、それによって新たな課題も見えてきている。
クロップ監督やジョゼップ・グアルディオラ監督の下で何年も同じメンバーで戦ってきたリバプールやシティなどと比べるのは酷かもしれないが、今のアーセナルは若さゆえの未熟さを露呈した戦いぶりが目につく。特にリバプール戦ではそれが顕著で、序盤からMFアルベール=サンビ・ロコンガがミスを連発し、先制点を許した後にはDFヌーノ・タヴァレスがバックパスを相手に渡してしまうイージーミスから追加点を献上するなど自滅した。
さらに、力が拮抗した相手でもリードした展開での試合運びに難を抱えているのも課題の1つだ。ユナイテッド戦(2-3)とエバートン戦(1-2)はいずれも先制点しながら逆転負け。この状況には選手も危機感を募らせているようで、エバートン戦の後にノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールは、「アーセナルは先制した時のマインドセットに問題があるのでは?」と問われ、このように答えている。
「そうだと思う。1-0でリードしている時は勝利を逃すことを恐れてしまうんだ。それが今日、僕らが犯した過ちだと思う。僕たちはプレーを続け、2点目を取りにいく必要があった。その意図は持っていたけど、ピッチ上でそれを実行することはできなかった。残念だ。僕らはやるべきことを途中でやめてしまった。リードを奪ったあと、特に後半はフットボールをやめてしまった」
リードしたあとに攻撃の手が止まり、決定打を押せずに相手に主導権を渡してしまう。ウーデゴールはその原因として、メンタリティーの欠如を挙げている。それは単なる気の緩みか。それとも経験不足からくるものか。いずれにしろ、今のアーセナルには先制したあとに試合をうまく進める“強者としての振る舞い”が身についていないのだ。