上位陣に勝てないアーセナル、主将の失態に見える”未熟さ”と強者のメンタリティー不足
8戦無敗のあと、2勝3敗と失速
日本代表DF冨安健洋が所属するアーセナルは、9月のプレミアリーグ第4節ノリッジ・シティ戦(1-0)から11月の第11節ワトフォード戦(1-0)まで6勝2分と8戦無敗の快進撃を続けたが、その後の5試合は2勝3敗とトーンダウンした。特に、上位クラブに勝てない強さが本物なのかは、見極めが難しいところだ。選手の中からも“ヤング・アーセナル”のメンタリティー欠如を指摘する声も上がっており、チームが抱える問題点が浮き彫りとなってきた。
今季のアーセナルはとにかく不安定な、浮き雲のようなチームだ。開幕3連敗と悪夢のスタートのあと、ホームのノリッジ戦で初勝利をきっかけに前述の無敗街道を突き進んだ。守護神のイングランド代表GKアーロン・ラムズデールや右サイドバック(SB)の冨安、イングランド代表DFベン・ホワイトら新戦力がうまくフィットし、開幕直後とはまるで別のチームへと生まれ変わった。
しかし、第12節でリバプールに0-4と完敗したことで無敗記録はストップ。ユルゲン・クロップ率いる一昨季の王者には力の差をまざまざと見せつけられた。続く第13節ニューカッスル戦は2-0で勝利するも、第14節でマンチェスター・ユナイテッドに2-3、第15節でエバートンに1-2で敗れて今季2度目の連敗。負けては勝ち、勝っては負けを繰り返している。
振り返ってみれば、アーセナルの勝利はどれも勝てるべくして勝った試合が多い印象は拭えないのも事実。8勝のうち、順位表のトップハーフ(16節終了時点)に位置するチームから挙げたのはトッテナム戦とレスター・シティ戦の2試合のみで、最近の勝利はサウサンプトン、ニューカッスル、ワトフォードなど下位チームがほとんどだ。第6節に激突した当時のトッテナムは、のちに解任されるヌーノ・エスピリト・サント前監督の下で低調な戦いが続いている時期だった。