35歳にして見つけた「弱い自分」 家長昭博、自身5度目の優勝で感じた“次なる世界”
【インタビュー#1】プレッシャーと戦い、自身5回目の優勝で味わった安堵感
川崎フロンターレのMF家長昭博は、12月6日に行われたJリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」で自身3回目のJリーグベストイレブンに輝いた。2017年の移籍以降、5年間で4回のリーグ優勝を経験するなかで何を感じ、何が変わったのか。孤高の天才の思考に迫る。(取材・文=Football ZONE web編集部・小田智史/全2回の1回目)
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――家長選手は2018、20年に続き、今回が3回目のベストイレブン受賞となりました。
「ベストイレブンは選手投票で決まります。ピッチ上で切磋琢磨している選手たちに選んでもらえるのは本当に嬉しいです。一番、選手冥利に尽きるというか、ありがたいなと思いますね」
――投票は自分に入れることも可能ですか?
「俺は自分に入れました(笑)。優勝したから、その権利はあるかなって。もし優勝していなかったり、中位だったとしたら、自分に投票はしていないです」
――家長選手は今年、ガンバ大阪時代を含めて自身5回目の優勝を果たしました。
「“味感”で言うと、薄くはなってきていますね(笑)。初優勝の高揚感は5回目にはなかったですけど、5回目の優勝の安堵感は初めての時には感じられませんでした。毎回違いがあって、それは優勝しないと感じられない。チームは1年1年変わってきますし、状況も違うので、経験という意味ではまた別の感覚を得られています」
――家長選手はシーズン中も「安堵感」という言葉を口にしていました。
「去年2年ぶりに優勝できて、勝ち点差的にも(ほかのチームを)離しながらリーグを制したことによって、今年は非常にプレッシャーがありましたね。『今年優勝するのは大変だろうな』『一筋縄ではいかないな』と思ってシーズンに入って、周囲の“対川崎”という目は、戦っているなかでもひしひしと感じていました。『川崎が優勝するんじゃないか』といつも言ってもらえるんですけど、そんなに甘い世界ではないので。結果的に、その期待に応えられたことが安堵感につながったと思います」