「止められると思っていた」 大分GK高木駿、初の天皇杯決勝を呼んだPKストップの舞台裏

川崎とのPK戦の勝利に貢献したGK高木駿【写真:Getty Images】
川崎とのPK戦の勝利に貢献したGK高木駿【写真:Getty Images】

天皇杯準決勝で古巣の川崎相手に好守連発

 大分トリニータは12月12日、天皇杯準決勝でJ1リーグ王者の川崎フロンターレと対戦し、PK戦の末にクラブ史上初の決勝進出を果たした。渾身のPKストップを見せたGK高木駿は試合後のオンライン会見で、「自分でもびっくりするくらいいいプレーができた」と胸を張った。

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 ゲームは徐々に川崎がポセッションし、前半27分にはMF大島僚太がペナルティーアーク内から鋭い左足シュートを放つも、大分GK高木がセーブ。MF家長昭博の縦パスを受けたFW旗手怜央が左足でシュートを狙ったが、これも高木がしっかりと防ぎ、スコアレスで45分を終えた。

 後半、川崎はFWマルシーニョ、FW小林悠、FW知念慶を投入するもスコアが動かず、試合は延長戦へ。延長前半でもお互いに決定打がなく迎えた後半8分、川崎が途中出場したMF小塚和季のクロスを小林がダイレクトで合わせ、ついに先制ゴールを奪う。

 大分はロングボールを使って相手ゴールへ。延長後半アディショナルタイム、MF下田北斗のクロスに前線へ上がっていたDFエンリケ・トレヴィザンがヘディングで合わせて同点ゴール。試合は1-1となり、PK戦へ突入した。

 大分が先攻、川崎が後攻で行われたPK戦。2-2で迎えた4人目、大分が成功させるも、川崎が失敗。決めれば勝利という大分の5人目MF小林裕紀のシュートは、GKチョン・ソンリョンがセーブを見せサドンデスへと突入した。迎えた7人目、大分が成功させたのに対し、川崎は山根のシュートがGK高木に阻止され、PKスコア5-4で大分に軍配が上がった。

 キャリアをスタートさせた古巣相手に好守を連発した高木は、「今日は自分でもびっくりするくらいいいプレーができた。でも、等々力だといつもいいプレーができる。すごく気持ち良くプレーできるし、川崎が本当に上手いので、楽しみながらやった」と語った。

 PK戦に関しては、「サドンデスになった頃からあまり何も考えていなかった」と振り返る。

「今日は調子が良かったから、止められるかなと思っていた。サドンデスになった頃からあまり何も考えていなかった。自分が止めて終了というのは分かっていなくて、止めたらみんなが急に走って来たからそれで気づきました(笑)。うちが先行で、止めたら終わりと分かっていなかった。それがリラックスしてできたのかなと。直近のデータは見せてもらって、該当するのが知念(慶)と(小林)悠さんだけでデータを入れたけど、みんな知っている人すぎてやりづらかったです」

 今季キャプテンを任されながら、4月以降に14試合連続出番なしと控えに回ったなかで、再びレギュラーの座を取り戻した高木。チームはJ2降格の悔しさを味わったが、12月19日の天皇杯決勝(浦和レッズ戦)にすべてを懸ける。

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