「オシムさんは型にはめなかった」 元日本代表MF水野晃樹、アマチュア契約から20代前半で飛躍…ジェフ時代に花開いた理由
ジェフ時代にナビスコ連覇へ貢献、ようやくプロになれたんだと実感
でも実際、トップデビューしたのは僕が最後。逆境に置かれると、燃えるタイプというか、性格的に負けず嫌いなんですよね。そこから必死に這い上がって上を目指すだけだったので、そういう境遇もその先を考えたら良かったかなと思います。
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結果的に、プロ2年目からはコンスタントに試合に出させてもらえましたけど、オシムさんに認められたなっていう感覚はまったくなかったです。認められたとは思わないんですけど、個人的に良かったなと感じるのは、オシムさんが型にはめるのではなくて、その選手の長所を最大限活かせるようなチーム作りだったことかなと。
僕はオシムさんに無理やり、これをやれ、あれをやれって言われたわけではなく、『自分の得意なプレーをどんどん出してくれ』と言われていたんです。当時で言うとスピード、キック、ドリブルが自分の長所。それを思う存分出していったし、練習メニューにしても、全面の3対3だとか、半面での1対1だとか、僕にとっては持ってこいの練習だった。
自分の長所を活かしてくれる練習が多かったので、そういう部分で少しずつ試合に出させてもらえたという部分はあると思うんですよ。それがオシムさんでも、もっと型にはめるやり方だったら、僕じゃない違う選手を使っていただろうし、当時ベテランというより若手の選手を積極的に使ってくれたので、そこで評価が上がったんだと思います。
そうやってとにかく必死で頑張って、ようやくプロになれたんだと実感できたのは、タイトルを獲れた時ですかね。そこがひとつのきっかけだったかなと思います。ジェフはそれまでタイトルを獲ったことがなかったなかで、プロ2年目の2005年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝し、翌年も連覇。リーグ戦でも上位に食い込んだりと、そういう時期に試合に関われていたので、そこでやっと感じ取れたんです」