J通算500試合超えの村上審判員が勇退を考えた理由 “ICUでの2週間”で頭の中を巡った思いとは?
トップリーグ担当審判員から勇退する村上審判員がオンライン会見で思いを告白
今シーズン限りでトップリーグ担当審判員から勇退する村上伸次氏が、12月6日にオンライン会見に出席。“引退”を決めた時期について明かしている。
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村上氏は2002年に1級登録され、翌年にJリーグを担当。これまでJ1通算307試合、J2通算195試合、J3通算3試合で主審を担当。12月4日、J1リーグ最終節の名古屋グランパス対浦和レッズの笛を担当し、審判として有終の美を飾った。
村上氏は引退を決めた時期について、「3年前(2019年)の1月ですかね」ときっかけを明かしている。
「実は大病になりまして……ICUに2週間いて、合計1か月くらい入院してて、そこからの(シーズン)スタートだったんです。その時に『もしかしたら、走ることもできないのではないか』と先生にも言われたんですが、どうしてもやりたい。投薬でなんとか散らしながらやってきたんですけど……それからちょっと『引退』という言葉が頭の中にちらほらありました」
そう告白した村上氏は、そこから2年近く審判活動を続けてきた。並大抵の努力でできることではないだろう。さらに、この時期に引退を決めた理由に、「節目もあった」と話す。
「数字という点で、J1で300(試合)、通算500(試合)、欲を言えばJ2も200(試合)やりたかったんですけど。そこはできなかったんですが、節目ということで今年で引退をしようかなというふうに思いました」
Jリーグ通算で500試合を捌いた主審は、数えるほどしかいない。村上氏は、日本でトップレベルの試合を吹ける数少ない審判員の1人だ。レフェリーとして最終戦となった名古屋対浦和の試合後では、元日本代表DF槙野智章がメッセージ入りのアンダーシャツで感謝を伝え、村上氏もイエローカードを提示するという茶目っ気たっぷりの行動を見せて会場を沸かせた。
3年前の大病を乗り越え、最後に見ることのできた選手、サポーターとの素晴らしい光景。村上氏の脳裏には、今も強く焼き付いているはずだ。