“サッカー王国”清水がプライド守るJ1残留、徳島は無念の降格 最終節の残酷な明暗

残留争いにも決着がついた【写真:小林 靖】
残留争いにも決着がついた【写真:小林 靖】

J1残留争いがついに決着 横浜FC、仙台、大分、徳島の4チームがJ2降格

 長いシーズンを戦ってきたJ1は今季の最終節を12月4日に各地で行い、ついに残留争いにも決着がついた。クラブ史上2回目のJ1を戦った徳島ヴォルティスが、健闘及ばずに来季は再びJ2で戦うことになった。

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 新型コロナウイルスの感染拡大とその影響を受け、昨季のJ1は降格チームがなく、J2からは2チームが昇格して今季は20チームで戦っている。その結果、今季は例年よりも1チーム多い4チームが降格する。そのサバイバルマッチは、すでに第37節までに横浜FC、ベガルタ仙台、大分トリニータのJ2降格が決定していた。

 最終節に可能性を残したのは15位から17位の3チームによる争い。勝ち点39の清水エスパルス、同36で並ぶ湘南ベルマーレと徳島ヴォルティスのうち、2チームが来季もJ1で戦う権利を手にして、1チームは降格する状況で迎えた。

 まず、引き分け以上で残留確定の清水はセレッソ大阪をホームに迎えた。前半35分にコーナーキックからFW大久保嘉人の折り返しかシュートかというボールからオウンゴールで先制点を献上して不穏な空気が流れたが、前半アディショナルタイムにDF鈴木義宜が同点ゴールを奪うと落ち着きを取り戻した。後半にはMF西澤健太が鮮やかなミドルシュートを決めて2-1で勝利し、“サッカー王国”のプライドを守るJ1残留を果たした。

 今季はミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を招聘して臨んだシーズンだったが、結果が出ずに苦しんだ。しかし、11月4日に平岡宏章監督に交代しての4試合を3勝1分で乗り切って、ピンチをしのいだ。

 そして、湘南は敵地に乗り込んでガンバ大阪と対戦。互いにじりじりとして決定機の少ない試合展開になった。そうしたなかで後半5分、G大阪のFW宇佐美貴史が放ったループ気味のドライブ回転が掛かったミドルがクロスバーを直撃して湘南は肝を冷やしたが、このまま0-0の引き分け。勝ち点を37として徳島の結果を待つことになった。

 その徳島はホームにサンフレッチェ広島を迎えた。ここ5試合で未勝利と苦しんでいる広島を相手にしたゲームだったが、前半9分にクロスから失点すると、そのキックオフで徳島が失ったボールをそのまま攻撃につなげられて同11分に追加点を献上。悪夢の2分間で一気に劣勢になり、さらに前半のうちにセットプレーからも失点。後半に2点を奪ったが、ミスからの失点もあり2-4の敗戦に終わり、勝ち点36から伸ばすことができず、J2への降格が決まった。

 湘南は9月に入って山口智監督にスイッチしてからはしばらく苦しんだものの、J1残留を手にした。一方の徳島は、昨季まで4シーズン率いて2014年以来のJ1昇格に導いたリカルド・ロドリゲス監督が今季から浦和レッズの監督に就任。後任のダニエル・ポヤトス監督が新型コロナウイルスの影響もあり入国が遅れたこともチーム作りを遅らせてしまう一因になり、最後まで可能性を残したものの力尽きてしまった。

 すでにJ2からはジュビロ磐田と京都サンガF.C.の来季J1昇格が決まっている。全18チームに戻る来季も、シーズン終盤には優勝争いやAFCチャンピオンズリーグ(AC)出場権の争いと同じくらい、J1残留争いも白熱したものになるのは間違いないだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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