Jリーグは「誰もが通用するわけではない」 浦和のデンマーク人コンビ、日本サッカーの印象告白
今季途中から浦和に加入したFWユンカーとDFショルツが今季について言及
浦和レッズに今季の途中から加入したデンマーク人のFWキャスパー・ユンカーとDFアレクサンダー・ショルツは、12月4日のJ1リーグ最終節・名古屋グランパス戦で最初のシーズンを終え、Jリーグについて「厳しいリーグだ」と印象を口にしている。
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Jリーグには世界各国から選手たちが集まってプレーしているが、デンマーク人選手は珍しい。1996年の浦和にMFブライアン・ニールセンが加入したのと、翌年のヴィッセル神戸にデンマークの伝説的な選手でもあるMFミカエル・ラウドルップが加入したが、いずれも1シーズンのプレーで日本を去っていた。
そうしたなか、浦和は4月にユンカーを獲得。すると、加入直後からゴールラッシュを見せて一気に存在感を示した。Jリーグで通算3人目のデンマーク人選手となった左利きのストライカーは、Jリーグを「1年目のシーズンだったが、良かったと思う」としたうえで、「楽な試合はなく、どの試合もタフでハード。本当に頑張らないとゴールを決めるのが難しいリーグだと感じた。4月からの加入でプレシーズンのキャンプなしでの参加だったが、良かったとは思う」と振り返った。
夏場には練習中の頬骨骨折で手術を行い、秋に入ってからは足の付け根の痛みに苦しんでコンスタントに出場できなかった。それでもリーグ戦では9ゴールを挙げ、途中参加となったルヴァンカップでも4ゴール、天皇杯でも3ゴールをマークしている。ユンカーは「まだ天皇杯が残っているので頑張りたい。Jリーグは来年、さらにステップアップしていきたいと思う」と、来週から準決勝以降の戦いを残すタイトルを見据えた。
また、夏のウインドーで浦和はデンマーク代表の招集歴やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でのプレー経験も持つショルツを獲得し、Jリーグ史上4人目のデンマーク人選手になった。最終ラインからドリブルで持ち運ぶビルドアップで特徴を見せつつ、クレバーなプレーで守備力も発揮。ハーフシーズンだったものの、この名古屋戦を0-0で終えたことでリーグ戦の無失点試合が17試合とクラブ最多記録更新に大きく貢献した。
そのショルツはJリーグについて「非常に競争力の高いハードなリーグだと思う。日本で誰もが通用するわけではないと思う。リーグ全体のクオリティーが高い。タフな試合が多く簡単なものはなかった。デンマークのリーグ戦は12チームで、それだと時に退屈するが、(Jリーグは)そういうことはない。来季は自分にもチームにもより期待して、より良いものを見せていきたい」と最初のシーズンを振り返った。
いずれも加入時に、アジアでの新しい経験や日本に対する好印象から移籍を決めたことを語っていた。夏場の高温多湿な環境には驚きもあったようだが、彼らにとって日本でのキャリアのスタートは良いものになっただろう。
デンマークは今夏の欧州選手権で準決勝に進出し、来年のワールドカップ・カタール大会の欧州予選も通過するなど競争力を高めている。今では浦和のサポーターがデンマーク国旗を掲げる姿も日常になったが、Jリーグの各クラブにとっても魅力的な選手たちのいる国だと浦和の2人が証明したシーズンになったと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)