浦和監督、引退&退団の3選手投入で粋な計らい 「一緒に戦うところを見てもらいたかった」
引退する阿部、退団する槙野と宇賀神の3人が後半ピッチに立って一緒にプレー
浦和レッズの元日本代表DF槙野智章と同DF宇賀神友弥は、12月4日のリーグ最終節の名古屋グランパス戦で途中出場のピッチに立ち、リーグ戦で浦和のユニフォームを着るラストマッチを終えた。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
サンフレッチェ広島の下部組織出身の槙野は2012年にドイツのケルンから浦和に期限付き移籍で加入し、翌年から完全移籍に以降。広島時代の恩師でもあるミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮下で攻撃参加を得意とするDFとして活躍し、17年にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇に大きく貢献。翌年以降はより守備的な戦術に移行したチームの中で、対人守備能力の高さなどを生かしてプレーしてきた。
また、浦和の下部組織出身で流通経済大を経て浦和へ加入した宇賀神は、下部組織で6年、トップチームで12年プレーした。闘争心のあふれるプレーが魅力で左サイドを主戦場に、チームのバランスを整えつつも機を見て攻撃参加。18年の天皇杯決勝では、見事なボレーシュートを決めてチームにタイトルをもたらした。しかし、両者ともに今季限りで浦和と契約満了になることが発表されていた。
この試合で宇賀神はハーフタイム明けの後半から、槙野は後半35分に今季限りで現役引退と発表されている元日本代表MF阿部勇樹とともに交代出場した。リカルド・ロドリゲス監督は「この試合に関しては、彼らのこれまでの貢献に対して3人一緒にピッチに立って戦うところを見てもらいたかった。これでシーズンが終わったわけではなく次の試合でプレーする可能性もあるが、3人に同時にピッチに立って楽しんでもらおうというのが交代で入れた理由だった」と話した。
宇賀神は対面するMFマテウスと丁々発止の戦いを見せつつ、一列前のMF汰木康也をサポートして攻撃力を生かすプレーを見せ、槙野は0-0の残り10分という状況だっただけに、セットプレーで果敢に攻撃参加。試合終了間際には流れの中から前線に駆け上がり、左サイドを突破にかかっていい位置でのフリーキックを獲得するなど、最終的に試合は0-0で引き分けたが槙野らしいプレーだった。
浦和の左サイドを長年にわたって支え続けてきた2人にとって、これが浦和のユニフォームを着て戦うリーグ戦のラストマッチになった。来週から天皇杯の準決勝以降の戦いも残しているが、一時代を築いた2人にとっても浦和にとっても、節目の試合になった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)