引退の浦和MF阿部勇樹、最終節出場で歴代4位のJ1通算590試合 的確プレーで“J1レベル”証明
最終節の名古屋戦、後半35分からプレー
浦和レッズの元日本代表MF阿部勇樹は、12月4日のリーグ最終節の名古屋グランパス戦で後半35分に途中出場して、歴代4位のJ1通算590試合でラストマッチを終えた。アディショナルタイムを含め約15分間、最後まで阿部らしい姿をピッチに残していった。
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阿部はジェフユナイテッド市原(現千葉)の下部組織から高校1年生でJリーグデビューし、その後にトップ昇格。イビチャ・オシム監督の下で日本屈指のボランチに成長して2007年に浦和へ加入した。その初年度からAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を獲得するなど活躍し、10年夏から1年半ほどイングランドにプレーする場所を移したが、12年に浦和に復帰。長らくキャプテンも務めてきた。
今季はリカルド・ロドリゲス監督が就任したチームで、リーグ開幕戦でスタメン出場してゴールをするなど健在ぶりを見せていたが、負傷で離脱する期間も長かった。そして、40歳の誕生日をシーズン中に迎えた今季で現役引退を決断。先月に記者会見も行っていた。
そのリーグ戦でラストマッチとなった試合で、ロドリゲス監督は後半35分にMF柴戸海に代えて阿部を投入。ボランチの位置で的確なポジションを取りながらチームを機能させ、機を見て攻撃参加する姿もあった。右サイドバックのDF酒井宏樹や、センターバックのDFアレクサンダー・ショルツがセットプレーなどで攻撃参加した際には、いち早く帰陣してスペースを埋めた。
コーナーキックのチャンスでも、ニアサイドに走り込んで相手を釣り出すような動きを見せ、最後までチームのためにプレーする姿は変わらなかった。アディショナルタイムの約5分を合わせ、15分間ほどのプレーだったが、まだまだJ1のレベルでもプレーできるだけのものを見せた。
浦和は来週から天皇杯の準決勝以降の戦いを残しているため、阿部のキャリアはまだ終了していない。ロドリゲス監督は「阿部が天皇杯のカップを掲げる姿、それをモチベーションにやっていきたい」とも話している。
アウェーの豊田スタジアムではあったが、試合前に場内でアナウンスされる選手紹介の際にはスタジアム全体から拍手も起こった。浦和の背番号「22」をつけてJ1のピッチに立つ最後の雄姿を見せ、阿部は1998年に16歳でデビューした時から歴代4位の出場試合数を重ねてJリーグの歴史に名前を残していった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)