グリーズマンが2得点

　フランスのディディエ・デシャン監督は前半のうちにイエローカードを受けたMFエンゴロ・カンテに代え、後半開始からMFキングスレー・コマンを投入。グリーズマンをトップ下に置く4-2-3-1システムに変更した。

　後半に入り、前半以上の猛攻を見せるフランスが追いついたのは同13分、右サイドのDFバカリ・サニャが上げたクロスにグリーズマンが頭で合わせてゴール。1-1の同点に追いついた。中央からの攻撃の多かったフランスに対してアイルランドもペナルティーエリアの幅ほどに選手たちを集中させて対応していたが、大きく広がったサイドのスペースを有効に使われる結果になった。

　さらに同16分、ラミが右サイドに流れていくFWオリビエ・ジルーに向けてロングボールを送ると、ジルーは相手に競り勝ちながら中央に頭でボールを落とした。そこにクロスして入り込んできたグリーズマンがボールを受けると、そのまま左足を振り抜いてゴール。あっという間にホスト国フランスが2-1と逆転に成功した。これで大会通算3得点としたグリーズマンは、ウェールズ代表FWギャレス・ベイル、スペイン代表FWアルバロ・モラタと並び、得点ランキングトップタイになった。

　そして同21分、ジルーとのコンビでグリーズマンが抜け出すとアイルランドDFシェーン・ダフィがペナルティーエリア手前で後ろから倒し、決定的得点機会の阻止によりレッドカードが提示された。アイルランドは1点ビハインドの上に数的不利な状況に追い込まれた。

　反撃に出たいアイルランドだったが、10人になってからはフランスからボールを奪い取ることができず、攻撃の場面をほとんど作らせてもらえなかった。結局、試合はこのまま2-1でフランスが勝利。中心選手のカンテとラミが累積警告で出場停止になるという不安要素こそ生まれたものの、逆転勝利でイングランドとアイスランドの勝者と対戦する準々決勝に弾みをつけた。

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images