アトレチコの雄が見せた意地の2発 開催国フランスがアイルランドを下して8強入り
史上最速のPK弾でアイルランドが先制
開催国フランスが、逆転勝利でアイルランドを下し、EURO2016で8強入りを決めた。前半2分に先制点を与えたフランスは後半13分と、同16分にFWアントワーヌ・グリーズマンが立て続けにゴール。2-1の勝利を手にした。
フランスは、MFポール・ポグバと、MFブレーズ・マテュイディの左右を入れ替えた以外は、開幕戦のルーマニア戦と同じメンバーで臨んだ。アイルランドはグループステージ最終戦でイタリアに勝利し、この舞台に登場した。この一戦は、アーセナルなどでプレーした元フランス代表FWティエリ・アンリの“神の手”ゴールが物議を呼んだ2010年南アフリカ・ワールドカップ出場を懸けた予選プレーオフ以来の対戦となった。
試合はまさかの立ち上がりを見せた。試合開始直後にアイルランド左サイドからのクロスを処理しようとしたフランスDFラミが転倒。ペナルティーエリア内でFWシェーン・ロングのキープを許した。カバーに戻ってきたポグバはPKを与えないように慎重な応対を見せたが、足が絡んでしまい倒してしまった。イタリア人レフェリーのニコラ・リッツォーリ氏は笛を鳴らしてPKスポットを指さした。
このチャンスにアイルランドはMFロビー・ブレイディーが左足で強烈なシュート。右ポストをたたいたボールはゴール内に吸い込まれ、わずか2分でアイルランドが先制した。このゴールは2004年大会においてロシア代表FWドミトリ・キリチェンコがギリシャ戦で開始1分7秒で決めたものに次ぐ大会史上2番目に早いゴールで、試合開始から1分58秒でのPKからの得点はEURO史上最速になった。
試合は1点を追ってボールを保持して圧力を掛けていくフランスと、肉弾戦をいとわずに激しいプレーで止めに掛かるアイルランドという構図になった。アイルランドのファウルも増え、フランスはFWディミトリ・パイェがセットプレーを蹴るチャンスも多くなっていく。選手たちが倒れ込む場面も多く、前半のアディショナルタイムは4分も取られた。しかし、フランスは前半終了間際の猛攻もゴールにつなげることはできず、アイルランドの1点リードで前半を折り返した。