冨安も逸材揃いの中で堂々の存在感! プレミアリーグの注目サイドバック7人を厳選
冨安もSBとしてプレミアリーグで抜群の存在感
■3:ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ/ポルトガル代表)
プレミアリーグ、あるいは世界中を見渡しても“最もSBらしくないSB”なのがマンチェスター・シティのポルトガル代表DFジョアン・カンセロだろう。ビルドアップ時には中央にポジションを取る「偽SB」は今やお馴染みとなったが、カンセロの場合はそこからインサイドハーフやウイングのポジションまで顔を出すまさに神出鬼没な動きを見せる。その役割は彼の名前をとって「カンセロ・ロール」とも称されるほどだ。
11月21日に行われた第12節エバートン戦(3-0)では右足のアウトサイドキックでカーブをかけた絶妙なラストパスをFWラヒーム・スターリングへ送り届けて得点をアシスト。その技術の高さが改めて脚光を浴びた。アタッカー顔負けのテクニックを持ち合わせ、左右両サイドでプレー可能なカンセロは唯一無二のSBと言えるだろう。
英衛星放送「スカイ・スポーツ」では毎週、直近5試合のスタッツを基にしたポイントによる「パワーランキング」を出しているが、13節終了時点ではアレクサンダー=アーノルドが全体の1位、ジェームズが2位、そしてカンセロが5位にランクインした。世界最高峰のリーグの中でも、特にこの3人のサイドバックは際立った存在感を放っている。今季のプレミアリーグはまさにサイドバックの宝庫と呼ぶにふさわしい状況だ。
■4:ベン・チルウェル(チェルシー/イングランド代表)
4人目はチェルシーの左サイドでプレーする23歳のチルウェル。開幕直後はスペイン代表DFマルコス・アロンソの影に隠れていたが、今季初出場だった第7節サウサンプトン戦(3-1)から第8節ブレントフォード戦(1-0)、第8節ノリッジ・シティ戦(7-0)と3試合連続ゴール。ジェームズとともに“ブルーズ”の得点源となっていた。
もともと左足のキック精度には定評があり、攻撃性能の高さが売りのSBだったが、今季はさらに一皮むけた印象だった。しかし、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)第5節のユベントス戦(4-0)で膝を負傷して無念の長期離脱。自慢の両翼の1枚を削がれたことは、チェルシーにとっては大きな痛手となるだろう。1日でも早い復帰が望まれる。
■5:冨安健洋(アーセナル/日本代表)
今季からプレミアリーグに初挑戦している中にも印象的なSBはいる。アーセナルに新加入したDF冨安健洋もその1人だろう。日本代表では不動のセンターバックだが、アーセナルではデビューから一貫して右サイドを担当し、プレミアで10試合連続スタメン出場を続けている。大柄な選手が少ないサイドでの空中戦では無敵に近く、安定感をもたらしている。
カンセロやアレクサンダー=アーノルドとは対照的に守備的なキャラクターだが、第13節ニューカッスル戦(2-0)ではサイドから浮き玉のラストパスでFWガブリエウ・マルティネッリのボレーシュートを演出。初アシストをマークしたこの試合のパフォーマンスは英メディアで「アーセナル加入以来最高」と絶賛された。ボローニャ時代の活躍はイングランドでほとんど知られていなかっただけに、その分強烈なインパクトを与えている。