ポーランドが同国史上初のEURO8強進出! PK戦の死闘の末にスイスを撃破

スイスはシャチリの大会最優秀ゴール候補のゴラッソ実らず

 欧州選手権(EURO)フランス大会の決勝トーナメント1回戦で、A組2位のスイスとC組2位で勝ち上がったポーランドが激突した。試合は1-1で延長に突入したが、120分間を戦っても決着は尽かず。PK戦を5-4で制したポーランドが同国初のベスト8進出を決めた。

 共に初めての決勝トーナメントに進出した代表の一戦。先制したのは今大会無失点を続けていたポーランドだった。前半39分、エリア内右でパスを受けた「クバ」ことMFヤクブ・ブワスチコフスキ(フィオレンティーナ)がスイスGKヤン・ゾマー(ボルシアMG)の股を抜くシュートでネットを揺らした。ドルトムント時代に日本代表MF香川真司との好連携でおなじみだったクバ弾でポーランドが先制した。

 スイスは後半になると、ビッグクラブが熱視線を送る注目の逸材、19歳のFWブリール・エンボロ(バーゼル)をはじめ、FWエレン・デルディヨク(カスムパシャ)、MFジェルソン・フェルナンデス(レンヌ)という攻撃的な選手を次々に投入。鉄壁を誇るポーランド守備陣に襲いかかっていく。すると待望の同点ゴールはエースの左足から生まれた。

 後半37分、スイスのキャプテンDFシュテファン・リヒトシュタイナー(ユベントス)が左サイドからクロスを上げると、ニアサイドでFWハリス・セフェロビッチ(フランクフルト)が左足のヒールでフリック。中央に流れて一度は相手に跳ね返されたが、ふわりと高く上がったクリアボールの落下点にいち早く入ったMFジェルダン・シャチリ(ストーク)がペナルティエリアの端から豪快なオーバヘッドシュートを披露。空中で体をひねりながら得意の左で合わせた強烈な一撃は、ワンバウンドしてゴール右隅に突き刺さった。

 今大会の最優秀ゴール候補となる起死回生の一撃でスイスが追いつくと、試合は延長戦に突入した。勢いを増したスイスが猛攻を仕掛け、ポーランドは防戦一方となった。延長後半にはデルディヨクが2度の決定機を得たが、ポーランド守護神GKルーカス・ファビアンスキ(スウォンジー)がファインセーブでチームのピンチを救った。

 スコア動かず、試合はPK戦に突入した。スイスの先攻でMFリヒトシュタイナー、FWロベルト・レバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)という両主将が1人目のキッカーで成功させたが、スイス2人目のアーセナルへの移籍の決まっているMFグラニト・ジャカが痛恨の失敗。ポーランドは5人目MFグジェゴシュ・クリホビアク(セビージャ)までが全員きっちりと成功させ、5-4でPK戦を制した。

 勝利したポーランドは、初のベスト8に進出を決めた。準々決勝ではクロアチア対ポルトガルの勝者と対戦する。

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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