ユナイテッドOBがC・ロナウドの起用法をめぐり激論 「彼はプレスをしないだろ?」
キーン氏はゴールを決める力を評価する一方、キャラガー氏は守備の貢献度を疑問視
マンチェスター・ユナイテッドのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、現地時間11月28日に行われたプレミアリーグ第13節チェルシー戦(1-1)でベンチスタートとなった。チームが不振にあえぐなかでマイケル・キャリック暫定監督が下したこの決断が、大きな議論の的となっている。英衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説を務めるロイ・キーン氏とジェイミー・キャラガー氏が、ロナウドの起用法について激論を交わしている。
ロナウドは今夏にユベントスを退団し、2009年以来となるユナイテッド復帰を果たした。ここまで公式戦15試合(うち先発13)で10得点2アシストをマーク。特にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではグループステージ5試合すべてで得点を決めるなど、さすがの勝負強さを見せている。
結果を残しているロナウドだが、前線からのプレスなど守備での貢献は見込めないため、起用法については常に議論が起きている。ユナイテッドもチームとしての守備が課題となっており、より献身的に走れるウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニのような選手をスタメンで起用すべきとの声も上がっていた。
チェルシーとの大一番でキャリック暫定監督がロナウドをスタメンから外したことで、ロナウドをめぐる議論は過熱。元ユナイテッドのキーン氏は「彼はベンチに座るために戻ってきたわけではない」と前置きしたうえで、「私も(エリック・)カントナのようにみんなが期待する仕事をしない選手と一緒にプレーしたが、彼らは緊迫した一戦で得点を決めるからこそ許されるんだ」と、重要なゴールを決め続けるロナウドはスタメンでピッチに立たせるべきだと主張した。
これに対し、キャラガー氏は「ロナウドがすべての試合で先発し、1分1秒でも多くプレーしなければならないとの考えが正しいとは思わない」と反論。「今のロナウドは以前のような選手ではない。スタメンでなかったとしても大きな話題にするようなことではない」と語り、さらに「彼はプレスをしないですよね?」と守備での貢献度に疑問を呈した。
キーン氏もロナウドがプレスに参加していないことを認めてはいるが、「チェルシー戦ではカウンターからボックス内で1回か2回チャンスがあるかもしれないのに、それでもロナウドをベンチに座らせておくのか?」とやはりビッグゲームこそロナウドの決定力が必要だと強調していた。
ユナイテッドは新たにラルフ・ラングニック氏の招聘が確実視されているが、新監督の下でもロナウドがどのように起用されるのか注目ポイントとなりそうだ。