世代交代が鮮明の浦和、槙野が涙の挨拶 阿部らの思いを引き継ぐ新リーダーの出現が求められる
GK西川は次世代に期待「来季は若い選手がチームを引っ張っていかなきゃいけない」
阿部、槙野、宇賀神の3人は2012年にミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任した時からのメンバーであり、パスワークを駆使した攻撃サッカーを構築した時代を知る。一方で、阿部がセレモニーの中で「西川周作、宇賀神友弥、槙野智章。シーズン途中に移籍してしまいましたが武藤雄樹、柏木陽介。そして関根貴大、興梠慎三。本当にあなたたちがいなかったらここまでできなかったです」と話したように、その中核メンバーが一気にチームを去ることになった。
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17年に浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制したが、その決勝戦の第2戦アル・ヒラル(サウジアラビア)戦の登録18人に入っていたのは西川と興梠だけになった。ペトロヴィッチ監督時代に下部組織からトップ昇格した関根は、この当時に欧州移籍をしていたが19年の夏に浦和に戻っている。
槙野や宇賀神と同世代と言える西川は、こうしたメンバーたちについて試合後に思いも話している。
「阿部選手は自分にとってプロの鑑で、浦和に来てからもサッカー以外のところでもお世話してくれたり、背中で浦和を背負う姿勢を見せてくれた。阿部ちゃんのようなキャプテンシーを持った選手はなかなかいない。槙野やウガはいつも笑わせてくれて、一緒にいる時間も長かった。アウェーでの後泊の時はサッカーのことも、サッカー以外のことも話すことが多かった。トミーは沖縄合宿の合流からチームに溶け込もうと努力して、彼のような性格や人柄はなかなかいないもの」
そして、「来季は若い選手がチームを引っ張っていかなきゃいけない時期が来たと思う。セレモニーは悲しかったけど、彼らが言ったように浦和の中心、責任を持ってやっていかないといけない使命をもらったと思う」と、次世代の選手たちが新たなサイクルに入るチームの中心になるべきという思いも話した。
19年末に3年計画を打ち出した浦和だが、その当初から世代交代は1つのテーマになってきた。その大きな節目が今シーズンに訪れたと言えるだろう。その計画の集大成であり次のサイクルを軌道に乗せるべき来季は、阿部たちの思いを引き継ぐ新たなリーダーの出現が求められている。