熾烈なJ2残留争い、順位下げた大宮が運命のホーム最終戦へ 霜田監督「死力を尽くす」
第41節の町田戦は0-0ドロー、DF山田将之「最低でも勝ち点1は持ち帰ろうと」
J2リーグ第41節が11月28日に行われ、17位で残留争いをしている大宮アルディージャは、アウェーで5位のFC町田ゼルビアと対戦し、0-0で引き分けた。勝ち点1を上積みして19位以上が確定したが、順位は1つ下がって18位となった。なお、21位の愛媛FC、22位の松本山雅FCはJ3降格が確定した。
大宮は、残留争いをしている他チームより優位な点を活用した戦い方を選んだ。17位だった大宮は、降格圏の19位と勝ち点1差だったが、得失点ではマイナス15以上に対してマイナス7と優位。また、勝ち点1を上積みすれば、J2昇格の資格を満たさないテゲバジャーロ宮崎がJ3で2位以上の場合は残留圏となる19位以上が確定する可能性や、この試合を含めて2引き分けで終えても残留する可能性があったため、守備重視の戦術を採用した。
中盤でパスのつなぎ役となるMF小島幹敏を先発から外し、守備が得意な三門雄大、石川俊輝のダブルボランチを採用。中盤を経由したパスワークではなく、最終ラインのDF河面旺成の中長距離パスからの打開を狙った。しかし、序盤から上位の町田が押し込む展開。自陣ゴール前のバイタルエリアを9人で守る場面もあった大宮は、ボールを奪っても攻撃につなげることができず、攻め込まれる時間の長い展開を耐える試合になった。
それでも、後半に右MF黒川淳史が中央に入り込んでゲームメイクをすると、攻撃が改善。後半20分に相手のシュートミスに救われた決定的なピンチをこらえると、その後はビッグチャンスも生まれた。後半34分にカウンターから途中出場のMF奥抜侃志がカットインシュートを打ったが、相手GKがセーブ。アディショナルタイムには奥抜のドリブルからDF馬渡和彰がシュートを放ったが、ゴールを捉えられなかった。
大宮は勝てば残留に大きく前進できるゲームだったが、引き分けを後ろ向きには捉えていない。途中出場したDF山田将之は「最低でも勝ち点1は絶対に持ち帰ろうと思っていたので、最低限の結果だったと思う」と話した。MF石川も「(勝って)勝ち点3を取れればベストですけど、最終節に僕らが自力で残留を決めるチャンスを得ることができた。ポジティブに捉えて、ホームで勝って決められるようにいい準備をしたい」と前向きに捉えた。
平野貴也
ひらの・たかや/1979年生まれ、東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て、2008年からフリーライターとなる。サッカー、バドミントンを中心にスポーツ全般を取材。高校サッカー、自衛隊サッカー、離島甲子園、カバディなど育成年代やマイナー大会の取材も多い。