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元日本代表FW大黒将志、中国サッカーに感じた可能性とJリーグとのリアルな差
2013年当時は「中国リーグのほうがJ2よりレベルは高かった」
――中国での試合について教えてください。リーグ戦では4ゴール、カップ戦でも広州恒大(現・広州FC)相手に2得点するなど活躍されますが、中国リーグのレベルにはどのような印象を持ちましたか?
「全く簡単ではないですね。当時各チームにいた外国人選手はJリーグより強く早く、クオリティーがありました。特に広州恒大は圧倒的で、当時のACL(AFCチャンピオンズリーグ)準決勝で柏レイソルが1-8で負けていましたし、断トツでアジア№1だったと思います。リーグ戦で戦った中国人選手たちもフィジカルに優れ、FWの私はその中でいかにフリーになって得点を決めるかを考えていました」
――率直に、Jリーグと中国リーグはどちらのレベルが高かったでしょうか?
「私は中国のあとにJ2へ移籍しましたが、中国リーグのほうがJ2よりレベルは高かったと、はっきり言えます。2013年当時の話なので。今は分かりませんが」
――中国リーグで印象に残っている選手はいますか?
「北京国安にいたピーター・ウタカ(現・京都サンガF.C.)は中国リーグで無双していましたね。その後、日本で彼を見た時に、中国時代よりだいぶ落ちたなと感じるほど、当時の彼は凄かったです。あとはやはり広州恒大の外国人3枚、エウケソン、コンカ(2019年引退)、ムリキ(現・中国1部滄州雄獅)は強烈でした」
――当時の広州恒大はすさまじかったですか?
「はい。その中で私は広州恒大との試合で2得点し、その時はオファーが来るかもと期待していました。正直、オファーが来たら絶対行っていましたね(笑)。年俸もすごい額になったでしょうし」
――ほかに印象に残っているチームなどはありますか?
「少し余談になりますが、中国はクラブの試合でも必ず試合前に国歌斉唱があり、それは強烈に印象に残っています。Jリーグにはないですし、それで私も1年間ずっと中国国歌を聞いていたので今でも覚えていますし、あのリズム感が良く、中国国歌は好きですね」
――中国のファンやサポーターに関してはどう感じましたか?
「中国に移籍した当時は、正直中国人から応援されることは全くないだろうな、と考えていました。しかし、実際に行ってみると、サポーターから歓迎され、応援してもらいました。日本人選手だからと嫌な経験をしたことがなく、サポーターもチームメイトとも非常に良い関係性を築けました」
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。