【月間表彰】プレー途中で変えた判断 栗原勇蔵×登里享平対談…数十秒間に頭を巡った思考
気が付けばチーム最古参の登里「自覚を持たないといけない」
登里 めちゃくちゃ嬉しいですね。栗原さんが今おっしゃってくれたように、このシーンって数十秒間の出来事なんですけど、この数十秒のなかで頭のなかが何度も切り替わっているんですよ。その判断を変えたりだとか、なかを見ながら走ったりだとか。だからそういうところを見て評価していただくのは本当に嬉しいですね。これは栗原さんならではの切り取り方だなと思います。多分、自分で言ってもあまり評価されないポイントだと思うので、より嬉しいです。
栗原 本来、この賞はディフェンダーを選出する賞なので守備的な部分を表彰するものかもしれないですが、どうしてもこのシーンが10月に関しては目についたので選ばせていただきました。
登里 ディフェンスに関しては、もっとやらないといけないところなので……。
栗原 いやいや、そんなことないよ。チームとしての失点数もすごく少ないし、登里選手自身は怪我もあったりしたけど、もともと能力がすごく高いと思っていたし、最近ではかなり守備も盤石になってきたなって感じるし、何よりチームの顔になっていると見えていますけどね。
登里 ホントですか? めちゃくちゃ嬉しいです。やっぱり自覚を持たないといけないなって最近は思っていますね。それと本当に怪我が多かったというのがあって、なかなかコンスタントに活躍できていなくて。自分としてももどかしい思いでずっと過ごしてきて、やっとチームに貢献できるようになってきたので、こうやって昔から見ていただけている方に選んでいただけたのは本当に嬉しいです。
栗原 なんかもう個人的には、日本代表で見たいなという思いもあるんだけど、登里選手自身はどうですか? 自分でも「今だったら俺が全然いいんじゃないの?」っていう思いもあるんじゃないすか。
登里 そうですね。もう本当に最近は特に代表戦の見方もすごく変わってきていて、自分の中でやっぱり自信があるからこそ、そういう見方もしますし、「自分だって」っていう思いもあります。フロンターレの選手が代表に入るようになってすごくいい刺激をもらえているので、自分も代表に入るようにもっともっと活躍しないといけないですし、足りないところを克服して、呼ばれたときにはしっかりと力を発揮できるようにしたいなと思います。
栗原 ぜひ、次は代表で活躍する登里選手を見てみたいですね。
登里 いやもう本当に第一線で活躍されてきた栗原さんにそう言ってもらえて自信をもらえましたし、そういう評価をいただいて、モチベーションというか、奮い立たされますね。
栗原 そう言ってもらえると、こちらも本当にありがたいです。良かったです。
[プロフィール]
登里享平(のぼりざと・きょうへい)/1990年11月13日生まれ、大阪府出身。香川西高―川崎。川崎一筋13年目、豊富な運動量と正確なクロスで4回のJ1リーグ優勝に貢献してきたサイドバック。明るいキャラクターで、ムードメーカーとしてもチームの士気を高める。
[プロフィール]
栗原勇蔵(くりはら・ゆうぞう)/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。