リオ五輪“3人目のOA”興梠を初の世界大会に導いた絆 「テグさんの期待に応えたい」

前線でのキープ力に期待する指揮官

 そして、手倉森監督との信頼関係をこう語った。

「テグさん(手倉森監督)は昔から共通の知り合いがいて結構会うような関係だったので、性格も知っている。自分は代表とかあまりモチベーションがない方なので、たぶんテグさんじゃなかったら行くこともなかっただろうし、テグさんだから一緒に戦いたいというのはある。レッズに来た時もミシャ(ペトロヴィッチ監督)と戦いたいという思いで来たし、そういう関係でテグさんも自分に期待を込めて呼んでくれたと思う。僕はその期待に応えないといけない」

 そして、「テグさんからは前でキープしてゲームを作ってほしいということを言われたし、自分はそれを得意としているので、そういうのを出せればいいと思う」と、すでにチーム内での役割が与えられていると話した。スピードあふれるFW浅野拓磨(広島)や、ゴール前でのプレーに強さを見せるFW久保裕也(ヤングボーイズ)などのFW陣の中では、稀有な万能型FWになる。どんな組み合わせでも、パートナーの長所を引き出しつつチーム全体の攻撃力を上げることができるだろう。

「(年齢制限もあって)限られた選手しか行けない大会だし、世界中のみんなが見る大会。特別な思いだし、日の丸を背負って戦うのも気持ちは違う。自分は浦和の選手なので、浦和のサポーター、選手はみんな見てくれると思うので、少しチームを犠牲にしていくわけだから、中途半端な気持ちでは戦えないと思う。やるからには1つでも上に、そしてメダルも取りたいけど、まずは初戦が大事だからそこに全力を注いでいきたい」

 自身初のメジャーな国際大会へ向けて決意を語った興梠。日本人選手としてACL最多ゴール記録も保持する男は、1968年メキシコ五輪以来のメダル獲得を最大目標に掲げる手倉森ジャパンの前線で存在感を放つはずだ。

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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