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歴代最高の就任後7戦7勝 ドイツ代表監督ハンス=ディーター・フリックとは何者か?
ビルツ、ムシアラら10歳の選手も積極起用
バイエルン2シーズン目にはリーグ優勝の1冠止まり。さらにはスポーツディレクターのハサン・サリハミジッチとの確執があったためにバイエルン監督の辞任を決断。おりしもレーブ後任監督を探していたドイツ代表にとっては絶好のタイミングではあった。DFBチームマネージャーのオリバー・ビアホフはすぐにコンタクトを取ると、話を綺麗にまとめて見せた。
「ドイツ代表は常にベストの陣容で揃えていなければならない。年齢やキャリアは関係ない」
就任会見で明確な言葉をドイツ中へと送った。そして現在の代表はキャプテンのマヌエル・ノイアー(35歳)、トーマス・ミュラー(32歳)、マルコ・ロイス(32歳)、イルカイ・ギュンドアン(31歳)らベテラン勢も多い一方で、カリム・アデエミ(19歳)、ジャマル・ムシアラ(18歳)、フロリアン・ビルツ(18歳)といった10代の選手も継続的に招集し、試合でも積極的に起用している。
「私だけではなく、コーチングチーム全体の仕事だ。このチームには素晴らしいポテンシャルがある。ファンと一緒に雰囲気を作り出すことができたのは素敵だ」
代表戦の後、フリックは毎回のようにこうしたメッセージを口にしている。ともに仕事をするスタッフがみんな居心地よく、自分の力を発揮できるようにと気を配ってくれる指揮官を中心に、ドイツはいま新たな道を歩み出していく。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。