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教え子が続々とJクラブ加入内定――現役東大生はなぜキック専門トレーナーになったのか?
卒業後には海外留学も視野「もっと上にいけるという感覚はある」
また、田所は選手の性格や表情にまで気を配り、状況に合わせて指導する内容にも変化を加えているという。そういった姿勢は今年4月からア式蹴球部でスペシャルアドバイザーとして指導を行う「KOBA式体幹トレーニング」主宰のプロトレーナー、木場克己氏から学んだ部分でもあるようだ。
「木場さんを見ていて思うのは、特にコミュニケーションがものすごく上手いということ。選手を上手く盛り上げていたりとか、『1、2、3……』と数える時にもあえて手を叩いてテンポを上げたりと使い分けをしていました。細かいことですけど、それだけでも選手の感覚は結構違うものです。きっと意識していないと見えない部分だと思いますけど、僕はそういうところを意識して木場さんの指導を見ていました」
今後について聞くと田所は「もっと上にいけるという感覚はある。まずはそこを突き詰めていきたい」とキック専門トレーナーの道を極めたいと意気込む。学生のうちは時間的にも受け持つ選手を増やすことはできないが、今季の最終戦終了に伴い、ア式蹴球部から引退。来年にはさらに活動の幅を広げようとも考えているという。卒業後には海外留学も視野に入れており、この分野での第一人者を目指すことになりそうだ。東大が生んだ新たな才能は、これまで誰も歩いてこなかった新しい道を切り開こうとしている。
田所剛之
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(石川 遼 / Ryo Ishikawa)