“ミラクル・レスター”の再現なるか 古豪ウェストハムがプレミアで“今最も旬”なワケ
ジャマイカ代表FWアントニオが攻撃を牽引
昨シーズン、途中加入ながら16試合9得点5アシストでUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得に貢献したイングランダ代表MFジェシー・リンガード(マンチェスター・ユナイテッド)はチームを去ったが、その代わりに攻撃陣を引っ張っているのがジャマイカ代表FWマイケル・アントニオだ。
31歳のストライカーはここまで10試合で6得点を記録。8月には3試合で4得点の固め打ちでリーグ月間最優秀選手に選ばれた。カウンター時に見せる力強いドリブルやセットプレー時のターゲットとして頼れる存在となっており、攻撃の幅を広げる重要なキーマンだ。第11節のリバプール戦(3-2)では世界最高のセンターバックの呼び声高いオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクと迫力満点の1対1を繰り広げ、引けを取ることなく渡り合った。
さらにチームを象徴するのは、チームの心臓部を担うイングランド代表MFデクラン・ライスとチェコ代表MFトマーシュ・ソーチェクの2センターハーフだ。欧州選手権(EURO)2020でイングランドの準優勝に大きく貢献したライスはプレーメーカーとして攻撃の起点になるだけでなく、自らボールを持ち上がることもできる万能型MF。ボール奪取力にも優れ、攻守両面での貢献度が高い。チームのキャプテンを務めるが今やビッグクラブ移籍の噂も絶えない。
一方のソーチェクは192センチの長身を生かした空中戦の強さが売りのMFで、昨季リーグ戦で10ゴールと得点力も光る。そのプレースタイルや特徴からモイーズ監督がエバートンとマンチェスター・ユナイテッド時代に重用していたベルギー代表MFマルアン・フェライニと比較されている。
そのほかにもMFパブロ・フォルナルスやMFジャロッド・ボーウェンなど多士済々のアタッカーを揃える2列目や、DFクルト・ズマの加入で安定感を増した最終ラインなど各セクションに好タレントを抱えている。マヌエル・ペジェグリーニ前監督時代には大型補強を敢行しても結果にはつながらなかったが、モイーズ監督就任後に補強方針を現実路線に切り替え、スタイルに合った選手たちを的確に発掘した。