アーセナル、セットプレー得点率11%→46%と向上 チームを変えた“立役者”に英注目

アーセナルのセットプレー得点率に注目【写真:AP】
アーセナルのセットプレー得点率に注目【写真:AP】

セットプレーコーチとして招聘されたニコラス・ジョバー氏の貢献を紹介

 日本代表DF冨安健洋が所属するアーセナルは今夏の補強がヒットし、快進撃を続けている。さらにチームを大きく改善させた立役者の1人がセットプレーコーチとして招聘されたニコラス・ジョバー氏だ。英衛星放送「スカイ・スポーツ」によれば今季のアーセナルはセットプレーでの得点数がリバプールと並んでリーグトップタイ。得点率は昨季の11%から46%と飛躍的に向上しているという。

 ジョバー氏はかつてミケル・アルテタ監督がアシスタントコーチだったマンチェスター・シティでセットプレーコーチを務めていた。アーセナルには昨季までアンドリース・ゲオルグソン氏がセットプレーコーチを務めていたが、同氏はスウェーデンのマルメにダイレクターとして引き抜かれたため、代役としてジョバー氏を招聘。アルテタ監督と再びのタッグを組むことになった。

 かつてアーセナルにとってセットプレーは課題の1つだった。2季前の2019-20シーズン、セットプレーからの失点はシーズン「15」もあり、これは総失点の31%に相当する数字だった。しかし、これは前任のセットプレーコーチであるゲオルグソン氏によって改善され、昨季はセットプレーからの失点が「5」と激減。総失点に対する割合もわずか13%に抑えられていた。

 そのゲオルグソン氏はチームを去ったが、後任のジョバー氏も大きな貢献を果たしている。今季アーセナルのセットプレーでの強みは攻守両面で発揮されており、ここまでプレミアリーグ11試合でセットプレーから挙げたゴールは「6」。これはリバプールと並んでリーグトップタイで、総得点の46%に及んでいる。昨季はシーズン38試合と通して6得点(総得点55)だったため、セットプレーでの得点率は11%から46%と飛躍的にアップしていることが分かる。

 一方のセットプレーからの失点はここまで「2」で、総失点(13)に対する失点率は15%。守備面はゲオルグソン氏が築いた基盤を維持していると言えるだろう。

 ジョバー氏は今季ブレイク中のMFエミール・スミス・ロウをセットプレーのキッカーとして育てたとして評価されている。また、今季加入のDFベン・ホワイトや冨安、ヌーノ・タヴァレスはいずれも身長180センチを超える長身で、セットプレー時のターゲットが増えたこともチームの助けになっているようだ。

 選手の大型補強が注目を集めるアーセナルだが、その陰でセットプレーコーチの重要性が浮かび上がっている。
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(FOOTBALL ZONE編集部)



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