EURO決勝Tで「究極の死の山」は完成せず… 16強出揃うが、ポルトガルとベルギーの両強豪は別の山に
ベルギー2位通過で死の山回避
左側の山を見ると、3戦連続ドローでF組をよもやの3位通過となったポルトガルと、D組でスペインを下して首位通過したクロアチアが激突する。伏兵が並んでいるとはいえ、左側の山の顔ぶれでは決勝進出を果たしておかしくない2チームが早くもトーナメントの初戦で潰しあいをすることになった。互いに攻撃陣にはタレントが揃うが、クロアチアが中3日で臨むのに対し、ポルトガルは中2日の厳しい日程になる。3戦目のハンガリー戦で2得点を挙げたポルトガルのエース、ロナウドは爆発を見せることができるか。
また、エースFWギャレス・ベイルの3戦連発でイングランドと同組の“英国対決”を制してB組を首位通過したウェールズは、初出場にして決勝トーナメント進出と勢いに乗る北アイルランドと対決となる。GSのイングランド戦に続く、“英国対決”となる。意地と意地のぶつかり合いに注目だ。
開催国フランスと同じグループステージA組で2位通過のスイスは、トーナメント進出16チームの中で最も余裕のある大会日程で戦う権利を得た。休息日が2日も少ないC組2位のポーランドだが、エースのFWロベルト・レバンドフスキはチームを躍進に導けるだろうか。一方、ポルトガルを制してF組を首位通過したハンガリーはE組2位通過のベルギーと初戦で激突。今大会出場選手中で40歳の最年長の守護神ガーボル・キラーイがトレードマークの「トレパン姿」でタレント揃いのベルギー攻撃陣を迎え撃つことになる。
一方、ベルギーはグループステージ最終節でズラタン・イブラヒモビッチのスウェーデンを1−0で撃破。2位通過となったために、死の山入りは何とか免れた。
「死の山」とは違った意味で本命不在となったが、多くのチームが決勝出場を果たすチャンスだと意気込んでいるはずだ。野心にあふれる激しいぶつかり合いが期待できる。激闘のEUROにおける本当の戦いが始まるともいえる決勝トーナメントでは、どのような名勝負が待っているだろうか。
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ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images