「森保監督は恩恵を受けた」 英国人記者、三笘薫が生み出す“相乗効果”の活用を推奨
A代表デビューの三笘投入で日本とオマーンの明暗が分かれる
森保一監督率いる日本代表は、11月16日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第6節のオマーン戦で1-0と接戦を制した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、「森保監督は年明けの中国戦でも三笘を起用しなければいけない」と説いている。
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森保監督が三笘薫の国際レベルにおけるゲームチェンジャーとしての能力に疑問を抱いていたとしても、それは16日のオマーン戦で解消されたに違いない。
ハーフタイムに柴崎岳に代わって三笘が投入され、それに伴う戦術的な微調整によって日本は試合を有利に進めた。森保ジャパンは来年のW杯本大会出場に向けて前進した。
このヤングスター(三笘)の大胆なアプローチ、ボールを持った時の恐怖心のなさ、そして相手ディフェンダーへの積極的な仕掛けが両チームの明暗を分けた。前半は両者ともに精彩を欠いていたが、後半は日本が優位に試合を進めた。
今予選は残念なスタートを切ったが、(第4節)オーストラリア戦からの3連勝で日本は自分たちの元に運命を手繰り寄せた。2022年のカタールW杯出場権獲得の可能性は大きく高まったと言えるだろう。
しかし、この試合でのパフォーマンスに欠陥がなかったわけではない。森保監督は安全策をとる傾向があり、守田英正の出場停止を受けて柴崎岳が先発出場したことに驚きはないが、そのことがチームを苦しめることになっていた。
前半の45分間、柴崎はより高いポジションを取っていたが、それでもペースが上がらず、日本代表の表面的なパフォーマンスの原因の1つになっていた。このままでは柴崎の出番は限られたものになるだろう。
グラハム・アーノルド監督率いるオーストラリアが中国に引き分けたたため、日本には自力で2位に浮上する絶好のチャンスがあった。そのなかで、この前半戦は必要なパフォーマンスから程遠いものだった。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。