「日本に必要だったもの」 流れを変えた三笘薫の“打開力”を元日本代表DFも高評価
【栗原勇蔵の目】三笘の投入で流れが変わり、伊東との両翼が機能
森保一監督率いる日本代表は、11月16日に敵地で行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第6節でオマーンに1-0で勝利し、グループ2位に浮上した。途中出場でA代表デビューを飾ったMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)の活躍を受け、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「三笘とか次からも使わせようと森保監督に思わせる結果になったのが一番の収穫」と語っている。(取材・構成=Football ZONE web編集部)
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日本は前半にポゼッション率60%を超え、同15分にMF伊東純也(ヘンク)のクロスからFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)がヘッド、同23分にはDF長友佑都(FC東京)の折り返しからファーサイドで伊東がダイレクトシュートを狙うもゴールならず。その後は拮抗した展開が続き、前半をスコアレスドローで折り返した。
勝ち点3が欲しい森保一監督は、ハーフタイムにMF柴崎岳(レガネス)に代わってA代表初選出の三笘を投入。4-2-3-1の左サイドに入った三笘はファーストプレーでドリブル突破を仕掛け、後半4分にはサイドからの攻撃でゴール前のチャンスを創出していく。
FW古橋亨梧(セルティック)も投入して攻める日本は後半36分、途中出場のDF中山雄太(ズウォレ)の縦パスに反応した三笘がペナルティーエリア内で倒れ込みながら中央へクロス。これを伊東が押し込み、日本が敵地で欲しかった1点を挙げた。
この1点を守り切った日本が1-0でオマーンを下し、オーストラリアを抜いてグループ2位に浮上。W杯アジア最終予選の経験を持つ栗原氏は、A代表デビュー戦で初アシストの大仕事をやってのけた三笘に関して「ボールを失う回数は多かったけど、ああいう仕事を1回すればいい」と評価する。
「オマーンもスピードを使いながら、うまく(日本の攻撃に)対応していました。後半、1人代わっただけで、何かあるんじゃないかと誰もが思ったはずです。流れを変えられるのが伊東のみだったなか、三笘が入って両翼がそれをできるようになって、相手からしたら今まで出ていなかった三笘が予想外の働きを見せた。今、日本に必要だったものがまさに三笘のプレーだったと思います」