ミラン本田の大活躍の影にザックの言葉 「親愛なるケイスケ、よりゴールを決めるように考えなさい」

覚醒の裏には恩師の助言

 ACミランの日本代表MF本田圭佑は、今季リーグ戦開幕6試合で4得点2アシストと大活躍を見せている。その裏には、元日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が開幕前に覚醒の秘訣を伝授していたことが分かった。地元紙「トゥット・スポルト」が「本田、再生。ザッケローニの名の下に」という見出しで報じている。
 日本代表は、今夏のブラジルワールドカップで失意の1次リーグ敗退に終わった。その代表を率いたザッケローニ監督は、ACミランのアドリアーノ・ガリアーニCEOに獲得を進言するほど、本田の能力を高く評価してきた。
 そして、ザックが、チームの命運を託した本田に、最後のアドバイスを送っていたことが明らかになったという。
「ミランを納得させるにはもっとゴールを決めることを考えなさい」
 結果至上主義とも呼ばれるシビアなカルチョの世界。本田は昨季、パフォーマンスの低さに加え、リーグ1得点に終わった結果からも、イタリアメディアから厳しい批判を受けた。ミランなどのビッグクラブで指導経験を持つザックは、普段からゴールにこだわりを持ってきた本田に、より執着することを助言したという。
「親愛なるケイスケ、日本ではアシストが大事だが、イタリアは特にゴールが大切だから、よりゴールを決めるように考えなさい。そうすればうまくいくから」
 恩師のアドバイスがきっかけになったのか、本田は今季、昨季とは見違えるようにゴールを量産している。練習中にはフィリッポ・インザーギ監督が、フィオレンティーナから引き抜いたセットプレーの専門家、ジョバンニ・ビア氏に師事し、4日のキエーボ戦でセリエAで初となる直接FKも決めている。
 アドリアーノ・ガリアーニCEOは「昨シーズンは本田の弟が移籍して来た、今シーズンは本物が来た」と冗談交じりに語るほどの覚醒劇。本田もザックの言葉を深くかみしめているかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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