美しきスペイン流の復活! 全エリア80%超のパス成功率と4倍のボール奪取数でゲームを支配
フィニッシュの局面で見せたチェコの粘り
まずは、フィニッシュに関するデータから見ていこう。この試合でスペインはシュート18本と、チェコの3倍も打ちながら得点はわずか1得点のみだった。
PA内シュート数が11本と、総シュート数の60%強を占めるというのは、圧倒的なボールポゼッションが単に相手に回させられているのではなく、フィニッシュに繋げるためのボール保持であることを示している。しかし枠内シュートが5本、ブロックされたシュート5本、結果として1試合を通したシュート精度が38.5%に抑えられたというデータからは、チェコの「最後はやらせない」という強い守備意識を感じる。
2014年のブラジルW杯では、2008年EURO、2010年南アフリカW杯、2012年EUROとメジャートーナメント3連覇を果たしたスペインの圧倒的なパスサッカーに勝つべく、カウンタースタイルを強化したチームの躍進が目立った。スペインのリーガ・エスパニョーラにおいても、バルセロナのポゼッションスタイルに対抗すべく、レアル・マドリードやアトレティコ・マドリードなどは、相手にボールを保持させながら、奪ってから速く攻めるスタイルで対抗していた。
そうした流れのなかでスペイン代表は、今大会に向けてそのスタイルをどのように変化させたのか。次はパスのデータを見てみたい。