至宝アザールの自信喪失 EURO優勝候補のベルギーは「ボールを持った時にどうすればいいのか…」
伊紙に告白 速攻以外に崩しのイメージゼロ
欧州選手権(EURO)グループステージで1勝1敗のタレント軍団ベルギー代表の病状は深刻なようだ。攻撃の中心である至宝MFエデン・アザール(チェルシー)は、「ボールを持っているときにどうしたらいいか分からない」と自信喪失を告白している。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。
ベルギーは初戦で守備大国イタリアと対戦した。ボール保持率では上回ったベルギーだが、スキのないディフェンスを見せるイタリアに決定機は作らせてもらえず、逆に一瞬のスキを突かれるロングボールと前掛かりになった試合終了間際のカウンターで0-2で沈んだ。アザールは、ボールポゼッションをしている際の攻撃に不安を語っている。
「僕らはボールを持っているときに、どうやってそのボールを前進させていけばいいのか分からなくなるんだ。僕らのチャンスの多くはカウンターだ。その時のようなスムーズさを出すことができていないと感じているんだ。昔は自分たちでリズムを作りながら攻撃をできていたはずなのに。全てはゲームをコントロールする部分に問題を抱えているのだと思う」
第2戦のアイルランド戦では3-0の快勝劇を演じた。しかし、その得点はどれも速攻の局面によるものだった。ゆっくりとしたポゼッションを強いられた場面では、有効な崩しを見せることはできていない。FIFAランキング2位という実績とアザールの言葉が示すように、過去はボールを持って主体的に崩して得点を奪い勝利ができていた。しかし、イタリアという相手が悪かったのか、それによって課題が表面化したのか、タレント軍団の司令塔はすっかり自信を失ってしまっているようだ。
アザールは昨季チェルシーで14得点を上げる活躍でプレミアリーグ優勝に貢献し、選手協会選出のMVPにも輝いた。だが、今季は完全にスランプに陥り、4ゴール。チェルシーも二部降格圏に低迷し、ジョゼ・モウリーニョ前監督も解任されていた。アザール自身も本調子とは言えない状況だ。