「評価を下げざるをえない」日本人選手は? ベトナム戦出場16人を金田喜稔が採点
ベトナムに1-0辛勝、追加点が奪えないなかで長友が途中交代「妥当な判断」
森保一監督が率いる日本代表は、11月11日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節ベトナム戦で1-0と辛勝。前節に続く4-3-3システムを採用し、MF伊東純也(ヘンク)が値千金の決勝ゴールを奪った。
最下位のベトナムから勝ち点3を奪ったものの、1ゴールにとどまった森保ジャパンの戦いぶりを識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。
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<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★★(4つ星)
ハイボール、バックパスやスルーパスへの対応を含めて安定していた。ベトナムに脅かされるシーンはほぼほぼなく、守備陣とも連係してクリーンシートで終えたのは評価できる点だ。
<DF>
■山根視来(川崎フロンターレ)=★★★(3つ星)
本来は相手の背後を狙う質の高いパスを出せるし、フィードに関しては酒井宏樹よりも上回っている部分もある。この日は全体的にファーストタッチが収まらなかったし、持ち味があまり生かせなかった。ピッチの状態もあったかもしれないが、慣れてくるまでに時間がかかりすぎる感がある。
■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★(4つ星)
危なそうな場面はあったが、最終的には身体を張って食い止めていた。移動によるトラブルでコンディション面の不安もあったはずだが、そのなかで最終ラインを統率し、無失点に抑えた点は評価したい。欲を言えば、日本のセットプレーでより脅威を与えたかった。
■冨安健洋(アーセナル)=★★★★(4つ星)
終始、安定したプレーを見せた。この日は安心して見ていられた1人で、ピンチになりそうなシーンでも冷静に対応していた。吉田との連係も良く、最終ラインでのパス回しもそつがなかった。攻撃時のセットプレーに期待したい点は吉田と同様だ。
■長友佑都(FC東京/→後半18分OUT)=★★★(3つ星)
高い位置を取って相手を牽制する動きを見せつつ、スペースも生み出していた。攻守においてアグレッシブだったが、追加点が取れないなかで中山と交代したのは妥当な判断。むしろグループ最下位のベトナム戦という意味では、スタートから中山を起用しても良かったぐらいだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。