「酷いスタートを切ったが…」 英国人記者、辛勝の日本代表の”いい兆し”を指摘「森保監督は安堵していることだろう」
伊東純也のゴール取り消しは「間違いなく疑問符が付くものだった」
森保一監督率いる日本代表は、11月11日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節のベトナム戦で1-0と辛勝した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、「森保監督は安堵していることだろう」と軌道に乗り始めたチームの“いい兆し”について語っている。
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2022年のカタールW杯アジア最終予選が折り返し地点を迎え、本大会出場の望みがつながったことで森保監督は安堵していることだろう。
最終予選の序盤3試合で2敗し、結束の見えない日本は来年のカタール行きの切符を手にすることができないのではないかと思われていたが、その後は連勝で指揮官も待ち望んでいた結果となった。
ベトナムとのアウェー戦での勝利がこれほど祝福されることは今までほとんどなかった。近年、両国の差はかなり縮まっているだろう。今回の日本代表はこれまでのベストには及ばないが、一方のベトナム代表は鋭さとスピードを備えたポゼッションサッカーができる才能が揃っている。
でこぼこなミーディンスタジアムのピッチはどちらのチームにとっても難しいものだった。19年のアジアカップ(準々決勝/日本が1-0で勝利)のようにベトナムが日本を苦しめるとの予想もあったが、実際のところ森保ジャパンはパク・ハンソ監督のチームにほとんど苦戦しなかった。
伊東純也は前半17分の先制ゴールに続く2点目が認められなかったことを不当に感じているだろう。オフサイドで彼の素晴らしいゴールが取り消されたのは間違いなく疑問符が付くものだった。最初にゴールを認めた判定は明らかなミスだったと言えるだろうか?
何度見ても何が問題だったのか100%明確には分からなかったし、たとえ最初の判定が間違っていたとしても審判がオフサイドと判断するまでに相当長い時間がかかっていたことは、それが「明らかな間違い」ではなかったことを証明している。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)は試合に大きな恩恵をもたらしているが、これほどペダンチック(衒学的)な使い方をしては、スポーツの魅力に損なうことになるだろう。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。