初陣のメンバー選考で涙も… 元教え子が明かす「日本代表監督・森保一」の素顔と信念 なぜ選手と人を惹きつけるのか
【インタビュー#2】広島時代で“共闘した”水本裕貴が語る森保一の人間性
森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で黒星スタートを強いられるなど苦しんでいる。FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)への依存をはじめ、数々の課題に対して森保監督には厳しい目が向けられてきた。
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本大会まで残り1年となったなかで、サンフレッチェ広島時代に5年半の間、師弟関係にあり、J1リーグ優勝3回の喜びを分かち合ったDF水本裕貴(FC町田ゼルビア)に、森保監督のチームへのアプローチ哲学や人間性について聞いた。(取材・文=Football ZONE web編集部・小田智史/全2回の2回目)
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森保監督は2012年、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌監督)の後を継ぐ形で広島の指揮官に就任。初年度からJ1リーグ優勝を果たすなど、5年半で3度のタイトルをもたらした。広島時代は3-4-2-1の可変システムを採用していたのに対し、日本代表では4バックをベースとしているが、「アグレッシブに戦う」「最後まで粘り強く」「球際の勝負」といったコンセプトはどんな時も崩さない。DF塩谷司やDF千葉和彦(現・アルビレックス新潟)ら、優勝メンバーが口を揃えたように、水本も森保監督の“ブレない軸”について言及する。
「2012年から5年半、一緒に仕事をさせてもらって思うのは、森保監督はチームに対して個人が何をできるのかをすごく大事にしていました。常に、『個人あってのチーム』ではなく、『チームあっての個人』だと。エゴがチームにとってプラスに働いているのか、マイナスに働いているのかを見極めてチームを作っていたと思います。森保監督は、よく言われるように、本当にブレなかったですね。2012年、13年は優勝争いをしていて、1つの試合の結果で状況が目まぐるしく変わるなかでも、常にポジティブな発信してくれていました。勝敗にかかわらず、チームとして良かった点は良い、悪かった部分は悪いとはっきり言ってくれたのは印象的です。負けた試合はどうしても『良くなかった』で終わりがちですけど、良かった部分を言ってくれたのはそれまであまり経験がないことでした」