「私にとって最大の後悔」 名将ベンゲルがアーセナル時代に売却を悔やんだ選手とは?
無名の17歳で獲得していたアネルカのレアルへの売却を惜しむ
アーセナルで22年間にわたって指揮を執ったアーセン・ベンゲル監督は、多くの選手の移籍に関わってきた。若い原石がトッププレーヤーに成長すると、ビッグクラブへ旅立っていくことも少なくなかったが、特にベンゲル監督にとって退団したことが残念だったのは、元フランス代表FWニコラ・アネルカ氏だったという。英紙「メトロ」が報じている。
アーセナルが欧州でも有力なクラブとなった背景には、ベンゲル監督の選手マネジメントがあった。アネルカは、ベンゲル監督の手腕を示す好例と言えるだろう。アーセナルにほぼ無名の状態で加入した17歳の少年は、イングランド代表FWイアン・ライトの欠場を受けて出場機会を得ると、1997-98シーズンのプレミアリーグとFAカップの2冠に貢献。1998-99シーズンには、イングランドプロサッカー選手協会(PFA)が選出する年間最優秀若手選手賞に輝いた。
50万ポンド(約7700万円)でアーセナルに加入したアネルカは、その3シーズン後に2250万ポンド(約34億5000万円)でレアル・マドリードへ移籍。この移籍金でユベントスから獲得したのが元フランス代表FWティエリ・アンリであり、ベンゲル氏は将来的にアネルカとアンリにコンビを組ませたいと考えていたという。
結局、アネルカはレアルでは力を発揮しきれず、アーセナルを離れてから11のクラブを渡り歩いている。その後、元オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシー、元スペイン代表MFセスク・ファブレガス(現モナコ)ら、多くの選手を育成して放出したベンゲル氏だが、アネルカのポテンシャルを引き出せなかったと後悔しているという。
「私たちは、アーセン・ベンゲルのカードを使い(選手を成長させ)、すると彼らは勝てるチームに行きたがった。私にとって最大の後悔であり、不名誉は、アネルカが去ったことだ。13ものクラブでプレーしたが、もっと特別な存在になるはずだった」
若い才能を多く見出している印象のあるアーセナルだが、その一方で選手を取り逃すことも少なくなかった。その象徴としてベンゲル氏が挙げたのが、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドだ。マンチェスター・ユナイテッドが獲得を発表する直前まで、交渉を続けていたという。
「私たちは、ロナウドの調査を進め、感銘を受けていた。私たちは食事もしたし、金額の話し合いも進めていた。ところが、次の日、マンチェスター・ユナイテッドがすべてを吹き飛ばした。私たちは、そうしたことに慣れていたけれどね」
今季、ユナイテッドに再加入したロナウドが、当時、アーセナルに加入していたら、どのような選手に育っていただろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)